最終更新日:2026年02月17日

トラックドライバーへの転職を考えるとき、気になるのは「求人はあるのか」「年収はどの程度か」「長時間労働は改善しているのか」という点ではないでしょうか。本記事では、厚生労働省やe-Stat(政府統計ポータル)、警察庁などの一次情報だけを根拠に、求人倍率・賃金・労働時間規制・必要免許を整理し、納得して求人を選ぶための基準を提示します。
転職活動でまず知りたいのは「仕事はあるのか」という点です。ここでは、厚生労働省が公表する一般職業紹介状況のデータから、トラックドライバー転職に関わる需給の強さを確認していきます。
有効求人倍率とは、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す指標です。この数値が1を上回れば、求職者よりも求人のほうが多い状態を意味します。
令和7年12月分の一般職業紹介状況によると、全体の有効求人倍率(季節調整値)は一定の水準を保っており、労働市場全体としては求人が一定数存在する状況が続いています(※1)。
この全体の数値を把握したうえで、次にトラックドライバーに近い職業群の状況を見ていきましょう。
【参考URL】 ※1 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69302.html
トラックドライバーの求人状況をより詳しく知るには、職業別の労働市場関係指標を確認する必要があります。e-Statで公開されている「表番号21:職業別労働市場関係指標(実数)」では、輸送・機械運転従事者などトラックドライバーに近い職業群の有効求人倍率、求人数、求職者数、就職件数が実数で示されています(※2)。
この統計は、令和5年4月以降の職業分類改定に基づいて集計されているため、トラックドライバーという名称そのものではなく、日本標準職業分類に準じた区分で表示されています。具体的には「輸送・機械運転従事者」といった大分類や、さらに細分化された小分類を参照することで、トラックドライバー転職に関連する需給状況を把握できます。
【参考URL】 ※2 出典:e-Stat「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)職業別労働市場関係指標(実数)(表番号21)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?cycle=1&layout=datalist&page=1&stat_infid=000040406965&tclass1=000001240022&tclass2val=0&toukei=00450222&tstat=000001020327
令和5年4月分から、職業安定業務統計で使用される職業分類が変更されました(※3)。この変更は、平成21年改定の日本標準職業分類に対応するためのもので、統計上の呼び名が変わっただけであり、仕事の内容そのものが変わったわけではありません。
ただし、この分類改定により、令和5年3月以前と4月以降のデータを単純に比較することはできなくなりました。長期的な推移を確認したい場合は、長期時系列表を使う必要があります。転職活動で統計を参照する際は、どの職業分類を見ているのかを意識しておくと、誤った判断を避けられます。
【参考URL】 ※3 出典:e-Stat「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)参考資料『令和5年4月以降の職業分類について』」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?fileKind=2&statInfId=000040406972
ここまでで、トラックドライバー転職の需給状況を把握するための3つのポイントを整理しました。
・全体の有効求人倍率で労働市場全体の状況を確認する ・職業別労働市場関係指標(表番号21)でトラックドライバーに近い職業群の需給を把握する ・職業分類の改定(令和5年4月以降)を理解し、統計の読み方を誤らない
需給の状況が把握できたら、次は年収や給与水準を確認していきましょう。
転職を検討する際、年収や月給の水準は重要な判断材料です。ここでは、賃金構造基本統計調査のデータをもとに、トラックドライバーの賃金を確認していきます。
賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が毎年実施している賃金に関する基幹統計です。令和6年調査は2024年のデータであり、都道府県別・職種別の賃金が詳細に公表されています(※4)。
この調査では、「きまって支給する現金給与額」「所定内給与額」「年間賞与その他特別給与額」といった項目が示されており、これらを組み合わせることで年収の推計が可能になります。また、職種(特掲)という区分があり、トラックドライバーに相当する職種も含まれています。
【参考URL】 ※4 出典:e-Stat「賃金構造基本統計調査 令和6年 一般労働者 都道府県別(表番号3)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?cycle=0&tclass=000001225453
賃金構造基本統計調査の表番号3では、職種(特掲)として「貨物自動車運転者」などトラックドライバーに相当する職種が抽出されています(※4)。
全国値を確認すると、月額の「きまって支給する現金給与額」と「所定内給与額」、そして年1回の「年間賞与その他特別給与額」が示されています。月給系の数値を12倍し、年間賞与を加えることで、おおよその年収を把握できます。
また、性別による賃金差も表に含まれているため、自分の状況に応じた水準を確認することが可能です。
賃金は都道府県によって差があります。表番号3では、全国だけでなく各都道府県の賃金データも掲載されているため、転職先の地域選びに役立ちます(※4)。
以下は、都道府県別の賃金を比較する際の見方です。

全国平均との差を確認することで、希望する地域の賃金水準が全国と比べて高いのか低いのかが一目で分かります。
トラックドライバー転職の賃金について、以下の3点を押さえておきましょう。
・全国水準:賃金構造基本統計調査で職種(特掲)の全国値を確認 ・地域差:都道府県別の数値を比較し、転職先候補の賃金を把握 ・性別差:性別ごとのデータも公表されているため、自分に近い条件で確認可能S
賃金の目安が分かったら、次は労働時間のルールを確認していきます。
トラックドライバーの仕事で不安に感じやすいのが「長時間労働」です。ここでは、2024年4月から適用されている労働時間の上限規制と、改善基準告示で定められた拘束時間のルールを整理します。
2024年4月から、自動車運転者には時間外労働の上限規制が適用されています。トラックドライバーの場合、時間外労働の上限は年960時間(休日労働は含まず)とされています(※5)。
これは「残業が無制限」という状態から「法律で上限が定められた」という大きな変化です。転職先を選ぶ際は、この上限を守る体制が整っているかを確認することが重要です。
【参考URL】 ※5 出典:厚生労働省「自動車運転者の時間外労働の上限規制」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
時間外労働の上限規制とは別に、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」というルールがあります。これは、拘束時間や休息期間など、トラックドライバー特有の働き方を規制するものです(※6)。
改善基準告示では、以下のような項目が定められています。

※拘束時間とは、労働時間と休憩時間(仮眠含む)を合わせた時間です。
【参考URL】 ※6 出典:厚生労働省「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」 https://www.mhlw.go.jp/content/2023_Pamphlet_T.pdf
改善基準告示のルールを理解したら、求人票や面接で実際に確認すべき項目を整理しておきましょう。

労働条件明示のルール(2024年4月改正)でも、就業場所や業務内容の変更範囲などが明示事項に追加されているため、これらも併せて確認しましょう(※7)。
【参考URL】 ※7 出典:厚生労働省「2024年4月から 労働条件明示のルールが変わりました」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001298245.pdf
トラックドライバー転職における労働時間のルールは、以下の2本柱で理解しましょう。
・時間外労働の上限(年960時間):休日労働を含まない上限 ・改善基準告示の拘束時間:1日・1か月・1年の拘束時間と休息期間
これらのルールを理解したうえで、次は運転に必要な免許の種類を確認していきます。
トラックドライバーになるには、運転する車両に応じた免許が必要です。ここでは、準中型・中型・大型の免許区分と、それぞれの要件を整理します。
警察庁が公表している資料をもとに、トラックドライバー転職に関わる免許区分を確認しましょう(※8)。
【準中型免許】 ・運転できる車両総重量の上限:7.5t未満 ・最大積載量の上限:4.5t未満 ・年齢要件:18歳以上 ・必要経験:なし
【中型免許】 ・運転できる車両総重量の上限:11t未満 ・最大積載量の上限:6.5t未満 ・年齢要件:20歳以上 ・必要経験:普通免許等2年以上
【大型免許】 ・運転できる車両総重量の上限:制限なし ・最大積載量の上限:制限なし ・年齢要件:21歳以上 ・必要経験:普通免許等3年以上
※各免許は下位の車両も運転可能(準中型は普通車も、中型は準中型・普通車も、大型はすべて運転可)
【参考URL】 ※8 出典:警察庁「準中型免許について」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/menkyo/junchuu/semimedium.pdf
未経験からトラックドライバーを目指す場合、年齢と免許取得歴によって取得できる免許が変わります(※8)。
・18歳以上で普通免許を持っている場合:準中型免許を取得し、2tトラックなどの求人に応募できます。 ・20歳以上で普通免許を2年以上持っている場合:中型免許を取得し、4tトラックの求人に応募できます。 ・21歳以上で普通免許を3年以上持っている場合:大型免許を取得し、10tトラックの求人にも応募可能です。
免許取得には費用がかかりますが、企業によっては免許取得支援制度を設けている場合もあります。求人票で「免許取得支援あり」といった記載があるかを確認しましょう。
トラックドライバー転職における免許の選び方は、以下のポイントで整理できます。
・年齢と免許歴で取得可能な免許が決まる ・運転する車両によって必要な免許区分が異なる ・免許だけで判断せず、労働条件も併せて確認することが重要
免許の準備ができたら、次は求人選びで失敗しないための労働条件明示のチェック方法を見ていきます。
求人票を見るだけでは、実際の労働条件が分かりにくい場合があります。ここでは、2024年4月に改正された労働条件明示のルールを確認し、求人選びで失敗しないためのチェック方法を整理します。
2024年4月から、労働契約を結ぶ際に明示すべき事項が追加されました(※7)。特に、以下の項目は転職活動で重要です。

これらの事項は、求人票だけでなく、労働条件通知書(または雇用契約書)にも明示される必要があります。
求人票、面接、労働条件通知書の各段階で確認すべき項目を整理しました。

これらの項目を事前に整理しておくことで、求人選びの精度が高まります。
トラックドライバー転職における労働条件明示のポイントは以下の通りです。
・2024年4月改正で就業場所・業務の変更範囲などが追加明示事項に ・求人票→面接→労働条件通知書の各段階で確認する項目を整理しておく ・改善基準告示や時間外労働の上限と照らし合わせて判断する
次は、転職活動の実務的な手続き(雇用保険・求職活動)を確認していきます。
転職活動は求人を探すだけでなく、退職後の手続きや雇用保険の受給も重要です。ここでは、公的情報をもとに転職の手順を整理します。
雇用保険の基本手当は、離職後の生活の安定を図り、求職活動を容易にするための給付です(※9)。トラックドライバーからの転職でも、一定の条件を満たせば基本手当を受給できます。
基本手当を受けるには、離職前の一定期間に雇用保険に加入していたことや、ハローワークで求職の申込みをすることが必要です。
【参考URL】 ※9 出典:厚生労働省「基本手当について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135026.html
雇用保険の基本手当を受給するまでの流れは、以下の通りです(※10)。

ハローワークの受付時間は平日8:30〜17:15が一般的ですが、16時前までに来所することが推奨されています(※10)。地域によって異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
【参考URL】 ※10 出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html
基本手当を受給するには、定期的な失業認定が必要であり、その際に求職活動の実績を報告する必要があります(※10)。
ただし、求人情報をインターネットで閲覧しただけでは、求職活動の実績とは認められません。ハローワークでの職業相談や、応募書類の提出、面接の実施など、具体的な活動が求められます。
不正受給を避けるためにも、求職活動の内容をしっかり記録し、正確に申告しましょう。
トラックドライバー転職における雇用保険手続きのポイントは以下の通りです。
・基本手当は離職後の生活の安定と求職活動を支援する制度 ・離職→求職申込み→受給資格決定→失業認定の流れを理解する ・求職活動の実績は具体的な活動が必要(閲覧だけでは不可)
次は、転職先を選ぶ際の安全・健康面のチェックポイントを確認します。
トラックドライバーの仕事では、交通事故や健康リスクへの対策が重要です。ここでは、厚生労働省のガイドラインをもとに、安全・健康面のチェックポイントを整理します。
厚生労働省の資料によると、交通労働災害は労働災害による死亡災害のうち2割以上を占めており、重要な課題として位置づけられています(※11)。トラックドライバーは、業務の性質上、交通事故のリスクが高い職種であるため、企業の安全対策が適切に行われているかを確認することが重要です。
【参考URL】 ※11 出典:厚生労働省「交通労働災害を防止しましょう『交通労働災害防止のためのガイドライン』のポイント」 https://www.mhlw.go.jp/content/001035192.pdf
交通労働災害防止ガイドラインでは、教育・健康管理・荷主配慮など、さまざまな観点から対策が示されています(※11)。これらを求人選びの確認項目に落とし込みました。

これらの項目を面接で確認することで、安全・健康への配慮がある職場かどうかを判断できます。
トラックドライバー転職における安全・健康面のチェックポイントは以下の通りです。
・交通労働災害は死亡災害の2割以上を占める重要課題 ・教育・健康管理・荷主配慮などの観点で企業の対策を確認 ・ガイドラインの内容を質問に落とし込むことで、求人選びの精度を高める
ここまでの情報を整理し、次は総まとめに入ります。
ここまで、トラックドライバー転職に必要な情報を、公的データだけで整理してきました。最後に、これらの情報をもとに実際の求人選びにつなげる方法を確認しましょう。
転職の目的や経験によって、優先的に確認すべき項目は異なります。以下の表で、タイプ別のチェックポイントを整理しました。

自分のタイプに応じて、優先順位をつけて情報を確認していきましょう。
公的データで希望条件が固まったら、次は実際の求人を探す段階です。『GOジョブ』では、全国のトラックドライバー転職求人を条件別に比較できます。
賃金水準、労働時間の設計、必要免許など、ここまで整理した項目を軸に、自分に合った求人を探し、応募まで進めましょう。『GOジョブ』を活用することで、効率的に転職活動を進めることができます。
トラックドライバー転職を成功させるためには、以下の4つの柱で情報を整理することが重要です。
・需給(求人倍率):職業別労働市場関係指標で、トラックドライバーに近い職業群の需給状況を確認(※2) ・賃金(公的統計):賃金構造基本統計調査で、全国・都道府県別の賃金水準を把握(※4) ・労働時間(960時間/改善基準):時間外労働の上限と改善基準告示の拘束時間ルールを理解(※5、※6) ・契約(労働条件明示):2024年4月改正の明示事項を確認し、求人票・面接・労働条件通知書でチェック(※7)
これらの情報をもとに、次の行動に移りましょう。
次の行動:
・希望条件(賃金、労働時間、免許、地域)を決める ・『GOジョブ』で求人を検索する ・比較表を使って求人を比較する条件に合った求人に応募する
公的データで納得できる条件が見えたら、『GOジョブ』で実際の求人を探し、理想のキャリアを実現してください。