最終更新日:2026年03月27日

運送業の志望動機、例文を見ても「自分の応募先に合う言い方」が分からず手が止まっていませんか。ネット上には多くの例文やテンプレートがありますが、それをそのまま使うと、どうしても「どの会社にも当てはまる」ぼんやりとした内容になりがちです。
この記事では、公的一次情報に限定して、運送業の志望動機を企業ごとにカスタムする手順を解説します。具体的には、職業情報提供サイト(job tag)で職種ごとの仕事内容を押さえ、厚生労働省の制度情報で働き方のルールを確認し、「3要素」の型に落とし込むところまでを順番にたどります。面接で志望動機をブレさせないための逆質問・確認チェックも紹介するので、書類提出から面接まで一貫した準備ができるはずです。
例文を暗記するのではなく、自分の言葉で組み立てるための設計図として活用してみてください。
運送業の志望動機は、①その会社を選ぶ理由、②自分の経験・能力、③入社後の意欲の3つの要素で組み立てると、面接でも一貫して説明しやすくなります。
ハローワークが公開している応募書類作成パンフレットでは、志望動機の欄について「会社の志望理由」「自分の経験・能力」「入社後の意欲」の3つの観点で書くことが推奨されています(※1)。このパンフレットはハローワークの応募書類ガイドページから入手でき(※2)、業種を問わず使える基本の型です。運送業に限った話ではありませんが、この「3要素」を軸にすると、何を書くべきか迷いにくくなります。
大切なのは、この3つの要素がバラバラにならないことです。「なぜこの会社なのか」を説明するときに、自分の経験がその会社で活かせることに触れ、さらに入社後にどんな貢献をしたいかまで一本の線でつながるのが理想です。
面接で「なぜうちを選んだのですか?」と聞かれたとき、履歴書に書いた内容と矛盾が出ないようにするためにも、最初から3要素を意識しておくと安心です。
以下の表は、3要素それぞれに「運送業ではどんなネタを入れられるか」をまとめたものです。具体的な材料の集め方は、次のセクション以降で詳しく解説します。

この表はまだ「枠」の段階です。記事を読み進めるなかで、求人票や一次情報から材料を拾い、自分の応募先に合わせて埋めていきましょう。
志望動機でありがちなのが、「家から近いから」「給料が良さそうだから」「運転が好きだから」といった個人的な希望だけで構成されてしまうパターンです。
ハローワークの応募書類作成パンフレットでも、個人的な希望だけでは志望動機として弱くなりやすい傾向があることに触れられています(※1)。もちろん、通勤距離や待遇は働くうえで大事な条件です。しかしそれだけを書いてしまうと、「うちでなくてもいいのでは?」と受け取られかねません。
ポイントは、個人的な希望を否定するのではなく、それを会社選びの理由や自分の強みとつなげることです。たとえば「自宅から近く、長く安定して働ける環境を探していた」という理由があるなら、「長く腰を据えて働くからこそ、安全運行に真剣に向き合いたい」といった形で意欲につなげることができます。
また、志望動機は面接で深掘りされる可能性が高い項目です。書類に書いた内容を面接で自分の言葉で説明できるかどうかも大切なポイントです(※1)。提出前に一度、声に出して読んでみることをおすすめします。
運送業の志望動機は、①会社を選ぶ理由、②自分の経験・能力、③入社後の意欲の3要素で組み立てることが基本です。個人的な希望だけに偏らず、3つの要素を一本の線でつなげることを意識すると、面接でも一貫した説明がしやすくなります。
次のセクションでは、この3要素に入れる「材料」を、求人票や公的情報からどう拾うかを解説します。
企業別にカスタムされた志望動機を作るには、求人票から材料を拾うことが出発点です。2024年4月から追加された募集時の明示事項を起点にすると、見るべきポイントが整理しやすくなります。
2024年4月1日から、職業安定法施行規則の改正により、企業が求人を出す際に明示すべき事項が追加されました(※3)。追加された主な項目は次の3つです。
・業務の変更の範囲:入社後にどのような業務に変わる可能性があるか ・就業場所の変更の範囲:勤務地がどこまで変わりうるか ・有期雇用の場合の更新基準(更新上限を含む):契約がどういう条件で更新されるか
これらは、企業が求人票や募集要項に記載する義務がある情報です(※3)。つまり、求人票を丁寧に読むだけでも、志望動機に使える材料が手に入ります。
たとえば、「業務の変更の範囲」に「配送業務のみ」と書いてある企業と、「配送業務および倉庫管理業務」と書いてある企業では、志望動機で触れるべき内容が変わります。前者であれば「配送業務に集中できる環境で、安全運行のスキルを磨きたい」という方向に、後者であれば「配送だけでなく物流全体に関われることに関心がある」という方向に具体化できるわけです。
このように、求人票の記載内容をそのまま志望動機の「具体性」に変換できるのが、明示事項を起点にする方法の利点です。
明示事項を志望動機に活かすための考え方を、以下の表にまとめました。

この表はあくまで「変換の型」です。実際の求人票に書かれた内容を見て、自分の状況と照らし合わせながら埋めてみてください。
また、求人票から材料を拾う際のチェックリストも用意しました。明示事項の3点に加えて、運送業の求人で確認しておきたいポイントを盛り込んでいます。
【求人票・募集要項から拾う材料チェックリスト】
□ 業務の変更の範囲が記載されているか確認した(※3)
□ 就業場所の変更の範囲が記載されているか確認した(※3)
□ 有期雇用の場合、更新基準・上限の記載があるか確認した(※3)
□ 募集職種(トラック/ルート配送/宅配など)が明確か確認した
□ 勤務時間・シフトパターンの記載を確認した
□ 必要な免許・資格の記載を確認した
□ 教育制度・研修の記載があるか確認した
□ 安全管理体制に関する記載があるか確認した□ 気になった項目をメモしたか(面接で確認するため)
このチェックリストを使って材料を集めておくと、次のステップで3要素に当てはめやすくなります。
2024年4月から追加された募集時の明示事項(業務変更範囲・就業場所変更範囲・更新基準)は、志望動機を企業別にカスタムするための重要な手がかりです(※3)。求人票をしっかり読み、自分の希望や経験と結びつけることで、「その会社だからこそ」の志望動機に近づけます。
次のセクションでは、応募する職種ごとの仕事内容を理解し、志望動機にさらに具体性を加える方法を解説します。
運送業といっても、職種によって仕事の内容はかなり異なります。職業情報提供サイト(job tag)で公開されている仕事内容や一日の流れを起点に、志望動機に使える「具体的な言葉」を見つけていきましょう。
job tagの「トラックドライバー」のページでは、仕事内容として車両の点検や点呼、アルコールチェック、運行記録への対応などが挙げられています(※4)。
トラックドライバーの仕事は「ただ運転するだけ」ではありません。出発前の車両点検や対面点呼、荷物の積み下ろし、納品先での対応、帰着後の報告まで、一日のなかに多くの業務が含まれます。安全運行のための確認作業が日常業務に組み込まれている点は、志望動機で「安全に対する意識」を伝える際の裏付けになります。
また、job tagではトラックドライバーの賃金や労働時間に関する統計データも公開されています(※4)。志望動機に直接書くものではありませんが、自分が応募する職種の働き方を事前に把握しておくことで、面接での受け答えにも自信が持てるはずです。
job tagの「ルート配送ドライバー」のページでは、決まった配送先を巡回するルート配送の一日の流れが紹介されています(※5)。出発前の点呼、配送ルートの確認、荷物の積み込み、配送先での納品、帰着後の報告といった流れが示されており、夜間配送や温度管理が求められるケースがあることにも触れられています(※5)。
ルート配送は、毎日同じ取引先を回ることが多いため、定時性や正確性が重視される傾向があります。また、温度管理が必要な荷物(食品など)を扱う場合は、品質管理への意識も問われます。
志望動機では、たとえば「ルートを覚えて効率よく回る工夫ができる」「取引先との関係づくりに前職の接客経験が活かせる」といった具体的な言葉に変換できます。「配送先との信頼関係を築きたい」という表現は、ルート配送の特性に合った志望動機の一例です。
job tagの「宅配便配達員」のページでは、個人宅や事業所への荷物の配達を中心とした業務内容が紹介されています(※6)。宅配は個人のお客様と直接やり取りする場面が多く、コミュニケーション力や臨機応変な対応が求められる点がトラックドライバーやルート配送とは異なる特徴です。
再配達への対応や不在時の連絡など、お客様の状況に合わせた判断が日常的に発生するため、接客業や販売業の経験がある人は、その経験を志望動機に反映しやすい職種といえます。
また、宅配に関連する統計データ(年収や労働時間など)もjob tagで確認できます(※6)。
志望動機に落とし込む際には、「お客様と直接やり取りできる仕事に関心がある」「前職の接客経験を活かして、丁寧な対応を心がけたい」といった表現が具体性を持たせる材料になります。
以下の表は、3つの職種について仕事内容の違いと、志望動機で使える具体的な言葉をまとめたものです。

自分が応募する職種に合った「具体語」を選び、3要素の型に当てはめることで、志望動機の説得力が上がります。
運送業の中でも、トラック・ルート配送・宅配では仕事の中身が大きく異なります。job tagの情報をもとに、応募する職種に合った具体的な言葉を見つけて志望動機に盛り込みましょう。「運送業で働きたい」ではなく、「この職種でこう働きたい」と言えるだけで、志望動機の印象は変わります。
次のセクションでは、2024年以降の働き方のルール変更について確認し、志望動機や面接で「安全・法令遵守」をどう表現するかを整理します。
2024年4月以降、運送業の働き方に関するルールが変わっています。志望動機では、こうしたルールの存在を踏まえたうえで安全・法令遵守への姿勢を示し、具体的な運用については面接で確認するのが現実的なアプローチです。
2024年4月から、自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用されています。特別条項付き36協定を結んでいる場合でも、時間外労働は年960時間が上限です(※7)。
この上限規制は、運送業で働く人の健康と安全を守るための仕組みです。運送業への転職を考えるうえで、「この業界には長時間労働を制限するルールがある」ということを知っておくことは大切です。
志望動機に直接「年960時間」という数値を書く必要はありません。しかし、たとえば「法令を遵守しながら安全に業務に取り組みたい」「安全運行を重視する企業で長く働きたい」といった表現で、制度への理解と姿勢を伝えることができます。
実際にその企業がどのように労働時間を管理しているかは、面接で確認するのが適切です。「御社ではドライバーの労働時間管理についてどのような取り組みをされていますか?」といった形で聞くと、自然な逆質問になります。
改善基準告示(正式名称:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)は、ドライバーの拘束時間や休息期間について定めた厚生労働大臣の告示です(※8)。令和4年12月23日に改正され、令和6年(2024年)4月1日から適用されています(※8)。
改善基準告示では、1日の拘束時間や休息期間の基準が定められています。詳細な数値については改正後の告示条文で確認でき、制度の解釈について誤解しやすい論点は厚生労働省が公表しているQ&A追補でも整理されています(※8)。
志望動機で改善基準告示の具体的な数値まで述べる必要はありませんが、「ドライバーの働き方に関するルールが整備されていることを理解している」という姿勢を見せることは、採用担当者にとって安心材料になる可能性があります。たとえば、「安全運行のためのルールを理解し、遵守する姿勢で業務に取り組みたい」といった表現が考えられます。
制度の具体的な運用状況(実際の拘束時間や休息の取り方など)は企業ごとに異なるため、面接で確認するのが適切です。
以下の表は、志望動機や面接で扱う際の参考としてまとめたものです。

2024年4月以降、時間外労働の上限規制と改善基準告示の適用が始まっています。志望動機では、これらの制度の存在を踏まえた「安全・法令遵守の姿勢」を示すことが大切です。ただし、実際の運用は企業ごとに異なるため、具体的な確認は面接で行いましょう。制度を知っているだけで終わらせず、「面接で運用を確認する」というアクションにつなげる意識が重要です。
次のセクションでは、未経験者が運送業の志望動機をどう組み立てるかを解説します。
運送業が未経験でも、仕事内容を理解し、自分の経験を「翻訳」すれば、3要素を使った志望動機は十分に形になります。
未経験者にとって最大のハードルは、「運送業の仕事を知らないから、何を書けばいいか分からない」という点です。ここで活用したいのが、前のセクションでも紹介したjob tagの職種別ページです(※4)(※5)(※6)。
job tagには、各職種の仕事内容や必要とされるスキル、一日の流れが整理されています。たとえば、トラックドライバーのページには点検や点呼、アルコールチェック、運行記録への対応といった業務要素が記載されています(※4)。
これらの業務要素を一つひとつ見ていくと、「これは前職の経験で対応できそうだ」と感じるものが出てくるはずです。接客業の経験があれば、宅配便配達員の「顧客対応」や、ルート配送の「取引先との信頼関係づくり」に結びつけられます。正確性が求められる事務作業の経験があれば、「運行記録の正確な記入」や「定時性のある配送」に翻訳できます。
重要なのは、「運送業の経験がない」ことを弱みとして捉えるのではなく、job tagの業務要素を橋渡し役として、前職の経験を運送業の文脈に変換する視点を持つことです。
志望動機の材料集めをさらに効率的に行うために、厚生労働省が提供するジョブ・カードの活用もおすすめです。マイジョブ・カードのサイトでは、これまでの職務経歴や免許・資格を整理し、履歴書や職務経歴書の作成につなげるツールが用意されています(※9)。
ジョブ・カードで整理した内容は、そのまま3要素の「②自分の経験・能力」の材料になります。免許・資格、これまでの業務で身につけたスキル、仕事で大切にしてきたことなどを棚卸ししたうえで、job tagの業務要素と照らし合わせてみてください。
「やってきたこと」と「応募先で求められること」の接点を見つける作業は、志望動機を書く前の最も大切なステップです。
【未経験者向け:自己棚卸しチェックリスト】
□ 保有している免許・資格を書き出したか(普通免許含む)
□ 前職で身につけたスキルを3つ以上挙げたか
□ 仕事で褒められた経験や評価されたことを思い出したか
□ 体力や健康管理で意識していることがあるか
□ 安全に対する意識を示すエピソードがあるか
□ job tagの業務要素と、自分の経験の接点を確認したか
□ 応募先の職種に合わせて「翻訳」できる経験を選んだか
□ ジョブ・カードで職務経歴を整理したか(※9)
このチェックリストを埋めていくと、「未経験だから書くことがない」という状態から抜け出しやすくなります。
以下は、未経験者が自分の経験を運送業の業務要素に翻訳するイメージです。

あくまで例ですので、自分の応募先と経験に合わせてカスタムしてください。同じ「接客経験」でも、宅配に応募するなら顧客対応に寄せ、ルート配送に応募するなら取引先との関係づくりに寄せるなど、職種に合わせて角度を変えることが大切です。
未経験者の志望動機は、job tagの業務要素を手がかりに、自分の経験を運送業の文脈に「翻訳」することで具体化できます。ジョブ・カードで棚卸しをしたうえで、3要素に落とし込んでいきましょう。「未経験=書けない」ではなく、「前職の経験を運送業の言葉に置き換える」と発想を転換するのがポイントです。
次のセクションでは、運送業の経験者がどのように志望動機を組み立てるかを解説します。
運送業の経験がある方は、日常業務の要素に自分の実績を紐づけて3要素に整理すると、企業別にカスタムしやすい志望動機が作れます。
経験者の強みは、運送業の日常業務をすでに知っていることです。job tagに記載されている業務要素、たとえば点検・点呼・アルコールチェック・運行記録・荷扱い・安全確認といった項目(※4)に対して、「自分はどう取り組んできたか」を具体的に語れる点が未経験者との大きな違いです。
ただし、漠然と「経験があります」と書くだけでは説得力に欠けます。大切なのは、日常業務の要素に自分なりの工夫や実績を紐づけることです。
たとえば、以下のような視点で整理してみてください。
・安全運行:無事故・無違反の期間、デジタコの評価、安全運転講習への参加など ・効率化:配送ルートの改善提案、積載効率の工夫など ・記録・報告:日報の正確性、異常時の迅速な報告など ・荷扱い:破損率の低さ、温度管理の徹底など
これらを応募先企業の特徴(扱う荷物、配送エリア、安全管理体制など)と結びつけると、「なぜこの会社なのか」の根拠にもなります。前職では扱えなかった荷種や配送形態に挑戦したい、前職よりも安全管理に力を入れている環境で働きたいなど、「転職する理由」と「応募先の特徴」をセットにして伝えるのが効果的です。
経験者であれば、志望動機の「③入社後の意欲」に将来のキャリア展望を入れることも選択肢の一つです。
たとえば、運行管理者は安全運行を支える重要な役割を担う国家資格です。国土交通省のサイトでは、運行管理者の業務内容や資格取得の方法が紹介されています(※10)。
志望動機では、「将来的に運行管理者の資格取得にも関心があり、安全管理の面からも会社に貢献したい」といった形で触れることができます。ただし、これはあくまで関心や目標として述べるものであり、断言する必要はありません。
応募先企業の募集要項に教育制度や資格取得支援の記載がある場合は、それと結びつけることで、より企業別にカスタムされた志望動機になります。

この比較表は、未経験者と経験者のどちらが有利かを示すものではありません。大切なのは、自分の状況に合った材料を選び、応募先企業に合わせて組み立てることです。
経験者は、job tagの業務要素に自分の実績を紐づけ、応募先企業の特徴と結びつけて3要素に整理することで、説得力のある志望動機が作れます。将来像として運行管理者など公的な資格情報を参考にするのも一つの方法です。
次のセクションでは、志望動機を面接で完成させるための逆質問・確認チェックを紹介します。
志望動機は書類に書いて終わりではありません。面接での逆質問や確認を通じて、志望動機の根拠を深め、同時にミスマッチを防ぐことが大切です。
前のセクションで紹介した募集時の明示事項(業務変更範囲・就業場所変更範囲・更新基準)は、面接での逆質問にも活用できます(※3)。
逆質問は「何か質問はありますか?」と聞かれたときだけでなく、面接の中で自然に確認できるタイミングでも使えます。ポイントは、志望動機で触れた内容と逆質問をつなげることです。
たとえば、志望動機で「配送業務に集中できる環境で安全運行のスキルを磨きたい」と述べた場合、逆質問では「入社後、配送以外の業務を担当する可能性はどの程度ありますか?」と確認できます。これにより、志望動機に一貫性が生まれ、同時に入社後のミスマッチも防げます。
逆質問は「疑っている」というメッセージではなく、「この会社で長く働きたいからこそ確認したい」という姿勢の表れです。前向きな関心として伝えることを意識してみてください。
時間外労働の上限規制(※7)や改善基準告示(※8)の適用が始まっている現在、これらの制度が実際にどう運用されているかを面接で確認することは、自分を守るためにも重要です。
ただし、面接でいきなり「年960時間を超えていませんか?」と聞くと角が立つ場合もあります。以下のような柔らかい聞き方が参考になります。
・「安全運行のための労働時間管理について、御社ではどのような取り組みをされていますか?」
・「ドライバーの休息時間の確保について、普段どのように運用されていますか?」
・「繁忙期の業務量調整は、どのような仕組みで行われていますか?」
これらの質問は、志望動機で示した「安全・法令遵守の姿勢」の延長線上にあるため、面接全体の一貫性を高めます。
面接に臨む際には、厚生労働省が示している「公正な採用選考」の考え方も知っておくと安心です(※11)。公正な採用選考では、応募者の基本的人権を尊重し、適性と能力に基づいた選考を行うことが企業に求められています(※11)。
具体的には、本籍地や家族構成、宗教など、本人の適性・能力と関係のない事項を採用基準にしてはいけないとされています。これは企業側のルールですが、面接を受ける側としても、「聞かれるべきでないこと」と「自分から積極的に伝えるべきこと」の区別を意識しておくと、落ち着いて面接に臨めます。
志望動機では「適性と能力」に焦点を当てて伝え、面接でもその軸を保つことが大切です。
【面接での逆質問・確認チェックリスト】
□ 業務の変更の範囲について確認する質問を用意したか(※3)
□ 就業場所の変更の範囲について確認する質問を用意したか(※3)
□ 有期雇用の場合、更新基準について確認する質問を用意したか(※3)
□ 労働時間の管理方法について確認する質問を用意したか
□ 休息時間の確保状況について確認する質問を用意したか
□ 安全管理体制(点呼、アルコールチェックなど)について確認する質問を用意したか
□ 教育・研修制度について確認する質問を用意したか
□ 志望動機で述べた内容と、逆質問が矛盾していないか確認したか

面接の逆質問は、志望動機の延長線上にあります。募集時の明示事項や働き方のルールを踏まえた質問を準備しておくことで、志望動機に一貫性が生まれ、ミスマッチのリスクも減らせます。
ここまでの手順で、志望動機の「型」「材料」「具体語」「面接での確認項目」がそろいました。次のセクションでは、準備した内容をもとに、実際の応募へどう進めるかを紹介します。
志望動機の下書きと確認チェックができたら、あとは応募先企業に合わせて仕上げ、実際に応募へ進むステップです。ここからは、第三者に相談しながら進める方法についても触れておきます。
ここまでの記事で、志望動機の3要素、求人票からの材料集め、職種別の具体語、制度の確認ポイント、面接での逆質問をひと通り整理してきました。これだけの準備があれば、自力でかなりの精度の志望動機が書けるはずです。
ただ、「自分の志望動機が本当に伝わる内容になっているか」「応募先の企業に合っているか」を客観的に確認したい場合には、第三者に見てもらうことも選択肢の一つです。
特に運送業への転職では、職種ごとの働き方や求人の特徴に詳しい人に相談できると、書類や面接の準備がスムーズに進みやすくなります。
『GOジョブ』は、ドライバー職に知見のあるキャリアアドバイザーが求人紹介・選考アドバイス・面接設定を行う転職支援サービスです。GO株式会社グループのGOジョブ株式会社が運営しています。
この記事で作った志望動機の下書きやチェックリストの内容を持ち込んで相談すれば、応募先に合わせた仕上げがしやすくなります。自分一人で悩み続けるよりも、ドライバー職に詳しい人の意見を聞くことで、自信を持って応募に臨めるケースもあります。
【応募前に用意するものチェックリスト】
□ 志望動機の下書き(3要素を使って整理したもの)
□ 求人票から拾った材料メモ(明示事項3点を含む)
□ 自己棚卸しの結果(ジョブ・カード等で整理したもの)
□ 面接で確認したいことリスト(逆質問チェックリスト)
□ 保有免許・資格の一覧
□ 職務経歴書の下書き
運送業の志望動機は、例文をコピペするものではなく、一次情報をもとに自分で組み立てるものです。この記事で紹介した手順を振り返ります。
この5つのステップを踏めば、テンプレートに頼らない、自分の言葉による志望動機が完成します。
もし「応募先に合わせた仕上げをプロと一緒にやりたい」と感じたら、ドライバー職に詳しいキャリアアドバイザーに相談するのも一つの手段です。『GOジョブ』では、求人紹介から選考アドバイス、面接設定まで、ドライバー知識のあるキャリアアドバイザーが支援しています。
自分のペースで、納得のいく志望動機を作り上げてください。

参考情報 ※1 出典:(PDF)応募書類の作り方(履歴書) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/oubosyorui_pamphlet_01_070531.pdf 該当箇所:「志望の動機、アピールポイント」の記載方法(3要素) ※2 出典:ハローワーク「履歴書・職務経歴書の書き方」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/member/career_doc01.html 該当箇所:応募書類作成パンフレット導線 ※3 出典:厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」(職業安定法施行規則改正) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html 該当箇所:追加明示事項:業務変更範囲/就業場所変更範囲/更新基準(上限含む) ※4 出典:職業情報提供サイト(job tag)「トラックドライバー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/477 該当箇所:仕事内容/労働条件の特徴/統計データ ※5 出典:職業情報提供サイト(job tag)「ルート配送ドライバー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/482 該当箇所:どんな仕事?(一日の流れ) ※6 出典:職業情報提供サイト(job tag)「宅配便配達員」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/483 該当箇所:統計データ ※7 出典:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html 該当箇所:自動車運転の業務:年960時間(特別条項付き36協定の場合)等 ※8 出典:厚生労働省「改善基準告示」(トップページから改正後全文・Q&A追補へアクセス可能) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html 該当箇所:改正日(令和4年12月23日)・適用日(令和6年4月1日)/現行告示条文(改正後全文)/Q&A追補(令和7年3月11日付) ※9 出典:マイジョブ・カード「ジョブ・カードをつくる」 https://www.job-card.mhlw.go.jp/guidance 該当箇所:職務経歴・免許資格の整理/履歴書・職務経歴書作成支援の案内 ※10 出典:国土交通省「自動車運送事業の運行管理者になるには」 https://www.mlit.go.jp/about/file000064.html 該当箇所:運行管理者の業務/選任義務/資格者証取得方法 ※11 出典:厚生労働省「公正な採用選考について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_57093.html 該当箇所:基本的人権尊重/差別のない採用選考の要請