タクシーで高速道路を使う料金とルール完全解説

最終更新日:2026年02月13日

タクシーの高速道路料金割引制度と注意点を徹底解説

長距離移動や出張でタクシーを利用する際、「高速道路を使うと料金はどうなるのか」「誰が高速料金を払うのか」といった疑問を持つ人は少なくありません。本記事では、国土交通省などの公的機関が公開する最新の一次情報のみを根拠に、タクシーの高速道路利用に関する料金ルールや運賃制度を体系的に整理します。事前に知っておくことで、不要なトラブルや誤解を防ぎ、安心してタクシーを利用できるようになります。

タクシーで高速道路を利用する際の基本ルール

タクシーは高速道路を利用できるのか

タクシーは法律上、高速道路を走行できる車両として認められています。一般的な乗用車と同様に、有料の高速道路や自動車専用道路を通行することが可能です(※1)。ただし、タクシーを利用する際に高速道路を使うかどうかは、単に「使える」というだけでなく、いくつかのルールに基づいて決定されます。

実際の運送では、道路運送法に基づく標準運送約款が適用され、この約款によって高速道路利用の判断基準や料金負担の考え方が定められています(※1)。つまり、タクシーが高速道路を使うこと自体に法的な制限はありませんが、その利用方法については運送約款というルールに従う必要があるのです。

【参考URL】 ※1 出典:国土交通省「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款」 https://www.mlit.go.jp/common/001378357.pdf

高速道路利用の判断は誰が行うのか(乗務員・利用者)

高速道路を利用するかどうかの判断は、原則として利用者の意思が尊重されます(※1)。つまり、お客様が「高速道路を使ってほしい」と依頼すれば、乗務員はその意向に応じて高速道路を利用します。逆に「一般道で行ってほしい」という要望があれば、一般道での移動が選択されます。

ただし、道路状況や交通規制、安全上の理由などから、乗務員が高速道路の利用を提案することもあります。たとえば、一般道が大渋滞している場合や、目的地までの距離が長く高速道路を使った方が時間的にも効率的な場合などです。このような場合でも、最終的な判断権は利用者にあります。

事前に確認しておくべきポイントをまとめると、以下のようになります。

タクシー高速1

利用者が明確な意思表示をしない場合、乗務員が最適と判断するルートを選ぶことになりますが、この場合でも高速道路を使う際には事前に利用者に確認を取ることが望ましいとされています。特に、高速料金が相当額になる長距離移動の場合は、必ず事前に確認しておくことが大切です。

タクシー利用時の高速料金は誰が負担する?

高速道路通行料の負担区分

タクシーで高速道路を利用した場合、その通行料金は利用者(旅客)の負担となります(※2)。これは標準運送約款において「実費」として明確に定められている事項です。つまり、メーターに表示される運賃とは別に、高速道路の通行料金を支払う必要があるということです。

この負担区分を整理すると、以下のようになります。

タクシー高速2

なぜ高速料金が「実費」として別途請求されるのかというと、タクシーの運賃は基本的に「距離」と「時間」に基づいて計算されるものであり、特定の道路を使うことで発生する通行料金は、その運賃計算とは別の費用として扱われるためです(※2)。

実際の支払い場面では、目的地に到着してメーター運賃を確認した後、高速料金を加算した合計額を支払うことになります。領収書にも、運賃と高速料金が分けて記載されるのが一般的です。

【参考URL】 ※2 出典:国土交通省関東運輸局「タクシーの運賃・料金について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001769794.pdf

料金メーターと高速走行中の扱い

高速道路を走行する際、運転手は「高速ボタン」を押してメーターを切り替えます(※3)。これにより時間距離併用運賃(時間加算)がストップし、走行距離のみで運賃が加算されるようになります。つまり、高速道路上では渋滞や低速走行があっても時間による加算は発生しなくなるのです。

これは、高速道路の通行料金とタクシーの運賃が別々の費用項目として扱われているためです。具体的には、以下のような仕組みになっています。

・一般道では距離と時間の両方で運賃が加算される ・高速道路では「高速モード」に切り替わり、距離のみで加算される ・時間による加算がストップするため、渋滞時も不利にならない ・高速料金は運賃とは別に「実費」として請求される

ETC(電子料金収受システム)を利用する場合、乗務員のETCカードで通行し、降車時に利用者が実費を支払うのが一般的です(※2)。最近では多くのタクシー車両にETCが搭載されており、料金所での現金精算の手間が省かれています。

ただし、ETCカード利用時の高速料金については、領収書や利用明細で確認できるようになっていますので、不明な点があれば乗務員に確認することができます。高速道路を使うことで時間加算がなくなるという点を理解しておくことで、料金に関する誤解を防ぐことができます。

運賃と実費の違いを明確に理解しておくことで、料金に関する誤解やトラブルを防ぐことができます。

【参考URL】 ※3 出典:全国個人タクシー協会「タクシー料金のしくみ」 http://www.kojin-taxi.or.jp/taxi/qa.html

タクシーの運賃制度と高速利用時の関係

距離制運賃と時間制運賃の違い

タクシーの運賃には、大きく分けて「距離制運賃」と「時間制運賃」の2種類があります(※4)。それぞれの特徴を理解しておくことで、高速道路を利用する際にどちらの運賃制度が適しているかを判断しやすくなります。

タクシー高速3

距離制運賃は、初乗り料金から始まり、一定距離ごとに運賃が加算されていく最も一般的な方式です(※4)。たとえば、東京では初乗り1.096kmまで500円、以降255mごとに100円加算(令和7年時点)、といった形で設定されています。また、時速10km以下の低速走行時や停車時には、時間に応じても運賃が加算される「時間距離併用運賃」が適用されます。

一方、時間制運賃は、30分や1時間といった時間単位で料金が設定される方式です(※4)。この運賃制度は、移動距離が長い場合や、複数の目的地を回る場合、観光利用など、時間をかけて利用する場合に選択されることが多いです。

【参考URL】 ※4 出典:国土交通省「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金に関する制度について」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/tabi2/taxi_jigyoukaisi/date/203_untinseido_2.pdf

高速道路走行時に時間制が選ばれるケース

高速道路を使った長距離移動では、時間制運賃が選ばれることがあります(※4)。その理由は、時間制運賃の方が料金が明確で、利用者にとって予算管理がしやすい場合があるためです。

具体的に、時間制運賃が検討されるケースは以下のようなものです。

・空港への長距離移動(1時間以上かかる場合) ・都市間移動(県をまたぐような長距離) ・観光やビジネスで複数箇所を回る場合 ・渋滞が予想される時間帯の移動

時間制運賃を選択する場合、事前に乗務員と料金の確認を行うことが重要です。時間制の料金体系は事業者によって異なりますが、一般的には30分単位や1時間単位で設定されており、超過時間についても明確な料金が定められています(※4)。

ただし、時間制運賃でも高速道路の通行料金は別途実費として負担する必要があります(※2)。つまり、「時間制運賃+高速料金」という費用構造になります。

利用者が事前に確認すべき点としては、以下が挙げられます。

・時間制運賃の単価(30分あたり、1時間あたりなど) ・最低利用時間の有無 ・超過料金の計算方法 ・高速料金などの実費の扱い ・予定ルートと所要時間の見積もり

特に、長距離移動で高速道路を使う場合は、距離制と時間制のどちらが総額として安くなるかを事前に確認しておくと安心です。多くのタクシー事業者では、事前に見積もりを出してもらうことも可能です。

深夜・長距離で高速を使う場合の割増・注意点

深夜割増の制度概要

タクシーには、深夜・早朝の時間帯に「深夜割増運賃」が適用される制度があります(※5)。一般的には、22時から翌朝5時までの時間帯に乗車すると、通常の運賃に対して2割増しの料金が加算されます。

深夜割増の基本的な仕組みは以下の通りです。

タクシー高速4

ここで重要なポイントは、深夜割増が適用されるのは「メーター運賃」に対してのみであり、高速道路の通行料金には割増が適用されない、ということです(※5)。つまり、深夜に高速道路を使ってタクシーに乗った場合の費用構造は、「メーター運賃×1.2+高速料金(実費)」となります。

【参考URL】 ※5 出典:国土交通省関東運輸局「タクシー運賃制度の詳細」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/tabi2/taxi_jigyoukaisi/date/203_untinseido_2.pdf

たとえば、通常運賃が5,000円、高速料金が1,500円の移動を深夜に行った場合、支払う総額は以下のようになります。

・メーター運賃5,000円×1.2(深夜割増)=6,000円 ・高速料金1,500円(割増なし) ・合計7,500円

このように、深夜割増はあくまでタクシーの運賃部分にのみかかるものであり、高速料金という「実費」には影響しないという制度理解が大切です(※5)。

長距離移動時に想定すべき費用構造

高速道路を使った長距離移動では、複数の費用項目が組み合わさるため、事前に総額をイメージしておくことが重要です。特に深夜時間帯の長距離移動では、以下のような費用構造になります。

・基本運賃(距離または時間による) ・深夜割増(該当時間帯の場合) ・高速道路通行料(実費) ・有料道路通行料(必要な場合、実費)

長距離移動で想定すべき費用の例を示します。

【ケース1:都心から成田空港まで深夜移動】 ・距離制運賃:約18,000円 ・深夜割増(22時以降):+約3,600円 ・高速料金(首都高+東関道):約2,500円 ・合計:約24,100円

【ケース2:都心から箱根まで日中移動(時間制利用)】 ・時間制運賃(2時間):約15,000円 ・高速料金(東名高速):約2,000円 ・合計:約17,000円

事前に総額イメージを持つために、以下の点を確認しておくことをおすすめします。

・出発時刻と到着予定時刻(深夜割増の適用判断) ・利用する高速道路とおおよその通行料金 ・距離制と時間制のどちらが適しているか ・渋滞の可能性と迂回ルートの有無

多くのタクシー事業者では、長距離移動の事前予約時に概算料金を教えてもらうことができます。特に初めて利用する区間や、予算の制約がある場合は、事前に問い合わせて見積もりを取ることで、安心して利用できるようになります。

長距離移動では、目的地までの最短ルートだけでなく、料金と所要時間のバランスを考えた最適なルート選択が重要になります。乗務員と十分にコミュニケーションを取り、納得した上で出発することがトラブル防止につながります。

タクシー高速利用が多いドライバーという働き方

高速・長距離に強いタクシードライバーの特徴

タクシードライバーの中には、高速道路を使った長距離案件を得意とするドライバーがいます。このようなドライバーには、いくつかの共通した特徴があります。

まず、地理的な知識が豊富であることが挙げられます。高速道路のインターチェンジの位置、主要なジャンクション、渋滞しやすい時間帯や区間、迂回ルートなど、幅広い知識を持っています。これにより、その時々の道路状況に応じて最適なルートを選択できます。

次に、料金制度への理解が深い点も特徴です。前述した運賃制度、深夜割増、実費の扱いなどを正確に理解しており、利用者に対して事前に明確な説明ができます。特に長距離移動では料金が高額になるため、この説明能力が顧客満足度に直結します。

高速・長距離に強いドライバーの特徴を整理すると、以下のようになります。

タクシー高速5

さらに、長距離案件では運転時間が長くなるため、安全運転の技術と体力も重要な要素です。高速道路での安定した走行技術や、長時間の集中力を保つ能力が求められます。

知識と経験が収入・評価に影響する理由

タクシードライバーにとって、高速道路や長距離移動に関する知識と経験は、収入や評価に直接影響する要素となります。その理由はいくつかあります。

第一に、長距離案件は単価が高く、効率的な稼働につながる点です。都心から空港まで、都市間移動、観光案件など、高速道路を使う長距離移動は一件あたりの運賃が高額になります。これらの案件を安定して獲得できるドライバーは、収入面で優位に立ちやすくなります。

第二に、制度理解が深いドライバーは顧客からの信頼を得やすい点が挙げられます。料金の仕組みを明確に説明でき、適切なルート選択ができるドライバーは、リピーターや指名を獲得しやすくなります。特に、法人利用や定期的な長距離移動が必要なビジネス客からの評価が高まります。

第三に、タクシー会社からの評価も高まります。長距離案件を任せられるドライバーは、会社にとっても貴重な人材です。事前予約の長距離案件や、VIP対応などの重要な仕事を任されることが多くなり、キャリア形成にもつながります。

タクシー業界では、経験を積むことで以下のようなキャリアパスが考えられます。

・一般的な近距離案件からスタート ・地理知識と制度理解を深める ・長距離・高速案件を任されるようになる ・法人契約や定期利用の顧客を獲得 ・後輩への指導役や管理職へステップアップ

このように、高速道路や長距離移動に関する知識と経験は、単なる「できること」の範囲を超えて、ドライバーとしてのキャリア全体に影響を与える重要な要素となっています。

タクシードライバーとして働くことを検討している方にとって、これらの制度や仕組みを理解し、実践的な知識を身につけることは、将来的な収入アップやキャリア形成において非常に重要な意味を持ちます。

まとめ

タクシーで高速道路を利用する際には、運賃と高速料金が別々に計算されること、深夜割増は運賃にのみ適用されること、高速道路走行時はメーターが「高速モード」に切り替わり時間加算がストップすることなど、いくつかの重要なルールがあります。これらの制度を正しく理解しておくことで、料金に関する誤解やトラブルを防ぎ、安心してタクシーを利用できるようになります。

特に長距離移動や深夜の利用では、事前に料金の見積もりを確認し、ルート選択について乗務員とコミュニケーションを取ることが大切です。距離制運賃と時間制運賃のどちらが適しているかを状況に応じて判断することで、より効率的で納得のいく移動が可能になります。

タクシードライバーとして働くことを考えている方にとっても、これらの制度理解は非常に重要です。高速道路や長距離案件に強いドライバーは、収入面でも評価面でも優位に立ちやすく、キャリア形成においても有利になります。

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