チャイルドシートは何歳まで必要?年齢・身長別の選び方と安全な使い方ガイド

最終更新日:2025年12月04日

チャイルドシートは何歳まで必要?年齢・身長別の選び方と安全な使い方ガイド

小さなお子さまを車に乗せるとき、必ず必要になるのがチャイルドシートです。しかし、「何歳まで使わなければいけないの?」「いつ卒業していいの?」と疑問に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。

チャイルドシートの使用は法律で義務付けられているだけでなく、お子さまの命を守るための大切な安全装置です。実は、年齢だけでなく身長や体重も重要な判断基準になります。

この記事では、チャイルドシートが何歳まで必要なのか、法律上の基準から実際の使用推奨年齢まで詳しく解説します。また、年齢や身長に応じた適切なチャイルドシートの選び方、正しい取り付け方、よくあるトラブルへの対処法まで、保護者の方が知っておくべき情報を網羅的にお届けします。

お子さまの成長段階に合わせた最適なチャイルドシート選びと、安全な使用方法を理解することで、大切な家族を守るカーライフを実現しましょう。

チャイルドシートは法律で何歳まで義務?

道路交通法による使用義務

日本では、道路交通法によってチャイルドシートの使用が義務付けられています(※1)。具体的には、6歳未満の幼児を自動車に乗車させる際には、チャイルドシート(幼児用補助装置)の使用が運転者に義務付けられています。

この法律は、2000年4月1日から施行されており、違反した場合には道路交通法違反として、運転者に対して行政処分の対象となります(※2)。ただし、罰金や反則金といった刑事罰はありませんが、違反点数として1点が加算されることになります。

6歳未満というのは、正確には「6歳の誕生日の前日まで」を指します。したがって、6歳の誕生日を迎えた時点で、法律上はチャイルドシートの使用義務がなくなります。 【参考URL】 ※1 出典:警察庁「チャイルドシートの使用義務」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html ※2 出典:警察庁「道路交通法」 https://www.npa.go.jp/laws/

使用義務が免除される例外ケース

法律では、チャイルドシートの使用が義務付けられていますが、一定の条件下では使用義務が免除される場合があります(※3)。

まず、バスやタクシーなどの一般旅客自動車運送事業の自動車に乗車する場合は、使用義務が免除されます。これは、タクシーの後部座席や路線バスなどが該当します。ただし、安全のためには可能な限りチャイルドシートを使用することが推奨されています。

次に、負傷や障害、その他やむを得ない理由により、チャイルドシートの使用が困難な場合も免除されます。例えば、お子さまが病気やけがをしていて、チャイルドシートに座らせることが困難な場合などが該当します。

また、車両の構造上、チャイルドシートを固定して用いることができない場合も免除対象です。座席が前向きではない車両や、シートベルトが装備されていない古い車両などがこれに当たります。

さらに、定員内の乗車で、すべての幼児にチャイルドシートを使用すると全員が乗車できなくなる場合も免除されます。例えば、5人乗りの車に大人2人と幼児3人が乗る場合などです。ただし、この場合でも可能な限りチャイルドシートを使用することが望ましいとされています。

緊急時、例えば授乳やおむつ交換など、一時的にお子さまを抱く必要がある場合も免除されますが、これはあくまで一時的な措置であり、安全な場所に停車してから行うことが推奨されています。 【参考URL】 ※3 出典:警察庁「チャイルドシート使用義務の免除事由」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html

使用率と事故時の安全性データ

警察庁とJAF(日本自動車連盟)が実施した調査によると、チャイルドシートの使用率は年々向上しているものの、まだ十分とは言えない状況です(※4)。

2023年の調査では、6歳未満の幼児のチャイルドシート使用率は約75%となっています。これは、義務化された2000年の約60%と比べると改善されていますが、依然として4人に1人は未使用という状況です。

特に注目すべきは、年齢別の使用率です。1歳未満の乳児では約90%と高い使用率を示していますが、年齢が上がるにつれて使用率は低下し、5歳児では約65%まで下がっています。これは、「もう大きくなったから大丈夫」という保護者の誤った判断が影響していると考えられます。

チャイルドシートの重要性は、事故時のデータからも明らかです。警察庁の統計によると、6歳未満の幼児が自動車事故で死傷した場合、チャイルドシートを使用していなかった場合の致死率は、使用していた場合の約2.1倍になっています(※5)。また、重症率も約1.6倍高くなっています。

さらに、チャイルドシートを使用していても、正しく取り付けられていない場合は効果が大幅に低下します。JAFの調査では、チャイルドシートの約60%が誤った方法で取り付けられていることが判明しています(※6)。正しく取り付けられていない主な原因として、シートベルトの締め付け不足、取り付け角度の誤り、ハーネスの緩みなどが挙げられます。

このようなデータから、チャイルドシートは単に使用するだけでなく、正しい方法で取り付け、お子さまの成長に合わせて適切なタイプを選択することが重要であることがわかります。 【参考URL】 ※4 出典:警察庁・JAF「チャイルドシート使用状況調査」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat-chousa.html ※5 出典:警察庁「交通事故統計」 https://www.npa.go.jp/publications/statistics/ ※6 出典:JAF「チャイルドシート使用状況全国調査」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/childseat

実際には何歳まで使うべき?推奨年齢と身長・体重の基準

6歳以降も使用が推奨される理由

法律上は6歳で使用義務がなくなりますが、実際には6歳以降もチャイルドシート(ジュニアシート)の使用が強く推奨されています(※7)。

その理由は、自動車に標準装備されているシートベルトが、身長140cm以上の体格を基準に設計されているためです。身長140cm未満のお子さまがシートベルトをそのまま使用すると、首や腹部に正しくベルトがかからず、事故の際に重大な怪我につながる可能性があります。

シートベルトが正しく機能するためには、以下の条件を満たす必要があります。まず、腰ベルトが腰骨(骨盤)の位置にしっかりとかかっていること。次に、肩ベルトが首ではなく肩の中央を通っていること。そして、背もたれに背中がしっかりついた状態で座れることです。

これらの条件を満たすことができるのは、一般的に身長140cm以上、体重36kg以上になってからとされています(※8)。日本人の子どもの平均身長を見ると、140cmに達するのは10歳から11歳頃です。したがって、法律上の義務がなくなる6歳以降も、小学校高学年頃まではジュニアシートの使用が望ましいといえます。

国土交通省も、お子さまの安全のために、身長140cmに達するまではジュニアシートなどの補助装置を使用することを推奨しています(※9)。また、欧米では多くの国で、身長基準(135cmまたは145cm)を法律で定めているところもあります。

【参考URL】 ※7 出典:国土交通省「チャイルドシートの安全基準」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※8 出典:国土交通省「チャイルドシート使用ガイドライン」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/ ※9 出典:国土交通省「子どもの安全な車の利用」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/

年齢・身長・体重別の推奨タイプ

チャイルドシートは、お子さまの年齢、身長、体重に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります(※10)。主に3つのタイプに分類されます。

新生児から1歳頃まで:ベビーシート(乳児用) 新生児から体重10kg程度、身長70cm程度まで使用します。このタイプは後ろ向きに取り付けることが特徴で、赤ちゃんの首や背骨への衝撃を最小限に抑える設計になっています。生まれたばかりの赤ちゃんは首がすわっていないため、後ろ向きに寝かせた状態で使用することで、急ブレーキや衝突時の衝撃を背中全体で受け止めることができます。

一部の製品は、キャリーとして車外に持ち出せる設計になっており、赤ちゃんを起こさずに移動できる利点があります。ただし、使用期間が比較的短いため、次のチャイルドシートとの兼用タイプを選ぶ家庭も多くなっています。

1歳から4歳頃まで:チャイルドシート(幼児用) 体重9kgから18kg程度、身長65cmから100cm程度まで使用します。このタイプは前向きに取り付け、お子さま専用のハーネス(5点式ベルト)で体を固定します。

この年齢のお子さまは好奇心旺盛で動き回りたがる時期ですが、5点式ハーネスによってしっかりと固定されるため、安全性が高くなっています。また、前向きになることで、車窓の景色を見ることができ、お子さまも退屈しにくくなります。

製品によっては、新生児から使用できる兼用タイプもあり、長期間使用できる経済的なメリットがあります。ただし、お子さまの成長に合わせてリクライニング角度やハーネスの高さを調整する必要があります。

4歳から11歳頃まで:ジュニアシート(学童用) 体重15kgから36kg程度、身長100cmから145cm程度まで使用します。このタイプは座面を高くすることで、車のシートベルトがお子さまの体に正しく当たるようにする補助装置です。

ジュニアシートには、背もたれ付きタイプとブースタータイプ(座面のみ)があります。安全性の観点からは、肩ベルトの位置を適切に調整できる背もたれ付きタイプが推奨されています(※11)。特に、側面衝突時の保護機能がある製品を選ぶと、より安全性が高まります。

体重15kg未満や身長100cm未満のお子さまには使用できないため、幼児用チャイルドシートからの切り替え時期には注意が必要です。早すぎる切り替えは、事故時の安全性を損なう可能性があります。

【参考URL】 ※10 出典:国土交通省「チャイルドシートの種類と選び方」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※11 出典:国土交通省「ジュニアシート使用ガイド」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/

成長に合わせた買い替え時期の見極め方

チャイルドシートは、お子さまの成長に合わせて適切なタイミングで買い替える必要があります。買い替え時期を見極めるポイントをご紹介します(※12)。

まず、製品に記載されている身長・体重制限を必ず確認しましょう。これらの制限を超えて使用すると、安全性能が保証されません。特に体重制限は重要で、制限を超えるとシートの強度が不足し、事故時に破損する危険性があります。

次に、ハーネスやシートベルトの調整限界に達していないかをチェックします。肩ベルトがお子さまの肩より下になっている、腰ベルトが太ももにかかっている、ハーネスを最大に伸ばしても窮屈そうにしている、といった状態が見られたら買い替えのサインです。

また、お子さまの頭がシートの上端から出ている場合も、買い替えが必要です。頭部保護ができていない状態では、事故時に重大な怪我につながる可能性があります。

実際の使用状況も重要な判断基準になります。お子さまが窮屈そうにしている、乗り降りが困難になっている、長時間座っていることを嫌がるようになったといった様子が見られる場合は、体格に合っていない可能性があります。

一般的な買い替え時期の目安としては、ベビーシートからチャイルドシートへは1歳前後、チャイルドシートからジュニアシートへは4歳前後ですが、これはあくまで平均的な成長を基準にしたものです。お子さまの成長は個人差が大きいため、年齢だけでなく身長と体重を定期的に確認し、適切なタイミングで買い替えることが大切です。

兼用タイプのチャイルドシートを使用している場合も、成長段階に応じた調整や部品交換が必要です。取扱説明書をよく読んで、適切に使用しましょう。

【参考URL】 ※12 出典:国土交通省「チャイルドシート買い替えガイド」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/

チャイルドシートの種類と選び方

タイプ別の特徴と適用年齢

チャイルドシートには、大きく分けて固定方式による分類と、年齢対応による分類があります。それぞれの特徴を理解して、ご家庭の状況に合ったものを選びましょう(※13)。 固定方式による分類 チャイルドシートの固定方式には、主に「シートベルト固定式」と「ISOFIX(アイソフィックス)固定式」の2種類があります。

シートベルト固定式は、車に標準装備されているシートベルトを使ってチャイルドシートを固定する方式です。ほとんどの車に取り付けが可能で、価格も比較的手頃なものが多いという利点があります。ただし、取り付けに慣れが必要で、誤った取り付けをしてしまうリスクがあります。

ISOFIX固定式は、車の座席に設置された専用の金具にチャイルドシートを直接固定する方式です。取り付けが簡単で、誤った取り付けのリスクが低いことが大きなメリットです。2012年7月以降に発売された新車には、ISOFIX対応の金具が標準装備されています(※14)。ただし、価格はシートベルト固定式よりも高めで、古い車には対応していない場合があります。 年齢対応による分類 年齢対応タイプとしては、「単独使用タイプ」と「兼用タイプ」があります。

単独使用タイプは、特定の年齢層に特化した設計で、その年齢のお子さまに最適な安全性と快適性を提供します。新生児専用のベビーシート、幼児専用のチャイルドシート、学童専用のジュニアシートなどがあります。成長に合わせて買い替える必要がありますが、各段階で最適な保護性能が得られます。

兼用タイプは、複数の年齢層に対応できる製品です。例えば、新生児から4歳まで使えるタイプや、1歳から11歳まで使えるタイプなどがあります。長期間使用できるため経済的ですが、各年齢層に完全に最適化されているわけではないという面もあります。

選択する際には、使用期間、予算、車の種類、お子さまの人数などを総合的に考慮する必要があります。

【参考URL】 ※13 出典:国土交通省「チャイルドシートの種類と安全基準」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※14 出典:国土交通省「ISOFIX規格について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/

安全基準マークの見方(Eマーク・自マーク)

チャイルドシートを選ぶ際には、安全基準に適合していることを示すマークを必ず確認しましょう(※15)。日本で販売されているチャイルドシートには、主に「Eマーク」または「自マーク」が表示されています。

Eマーク Eマークは、ヨーロッパの安全基準(ECE R44またはECE R129)に適合していることを示すマークです。円の中に「E」と数字が表示されています。この数字は認証を行った国を示しており、例えば「E1」はドイツ、「E4」はオランダを表しています。

現在、ECE R44/04とより新しいECE R129(i-Size)という2つの基準が併存しています。ECE R129は、側面衝突試験が追加されるなど、より厳格な基準となっています(※16)。

自マーク 自マークは、日本の安全基準(道路運送車両の保安基準)に適合していることを示すマークです。2012年7月以前の旧基準と、それ以降の新基準があり、新基準はヨーロッパのECE R44/04とほぼ同等の内容となっています。

その他の確認ポイント 安全基準マーク以外にも、以下の点を確認しましょう。まず、製造年月日です。チャイルドシートには使用期限があり、一般的には製造から6年程度とされています。古いものは材質の劣化により安全性能が低下している可能性があります。

次に、お子さまの体重や身長に対応しているかどうかの表示を確認します。これらの情報は必ず製品に記載されています。

また、国土交通省やJAFなどが実施しているアセスメント(評価試験)の結果も参考になります。これらの機関では、安全基準を満たした製品の中からさらに優れた性能を持つ製品を評価しています(※17)。

中古品を購入する場合は特に注意が必要です。事故歴のあるチャイルドシートは、見た目に問題がなくても内部構造が損傷している可能性があるため、使用してはいけません。

【参考URL】 ※15 出典:国土交通省「チャイルドシート安全基準」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※16 出典:国土交通省「ECE R129(i-Size)について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/ ※17 出典:国土交通省・自動車事故対策機構「チャイルドシートアセスメント」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/ast/assessment.html

車種との適合性確認方法

チャイルドシートを購入する前に、必ず自分の車に取り付けられるかどうかを確認する必要があります(※18)。

取扱説明書と適合車種表の確認 多くのチャイルドシートメーカーは、自社製品の適合車種表を公開しています。これは、各自動車メーカーの車種ごとに、そのチャイルドシートが適合するかどうかを示した一覧表です。メーカーのウェブサイトで確認できるほか、店頭でも閲覧可能です。

適合車種表には、車種名、年式、グレード、座席位置ごとの適合状況が記載されています。同じ車種でも年式やグレードによって座席の形状が異なる場合があるため、必ず自分の車の詳細情報と照合しましょう。

実車での確認ポイント 可能であれば、購入前に実際の車で試し置きをすることをおすすめします。確認すべきポイントは以下の通りです。

まず、座席の形状です。座面が極端に傾斜している、座席が柔らかすぎる、凹凸が大きいといった場合、チャイルドシートが安定しない可能性があります。

次に、シートベルトの長さです。特に後部座席の中央に取り付ける場合、シートベルトが短くてチャイルドシートを固定できないことがあります。

また、ヘッドレストの高さや位置も重要です。一部のチャイルドシートは、ヘッドレストを外す必要がある場合があります。ヘッドレストが外せない車種では取り付けができないこともあります。

ISOFIX対応の確認 ISOFIX式のチャイルドシートを検討している場合は、車にISOFIX取り付け金具があるかを確認します。通常、後部座席の座面と背もたれの間に金具が設置されています。車の取扱説明書にもISOFIX対応について記載されています。

2012年7月以降に発売された新車には標準装備されていますが、それ以前の車や一部の車種には装備されていない場合があります(※19)。

複数台の車で使用する場合 チャイルドシートを複数の車で使用する予定がある場合は、すべての車で適合するかを確認しましょう。特に、祖父母の車や親戚の車に乗せる機会が多い場合は、それらの車種でも使えるタイプを選ぶことをおすすめします。

【参考URL】 ※18 出典:国土交通省「チャイルドシート適合性確認」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/ ※19 出典:国土交通省「ISOFIX装着義務化について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/

正しい取り付け方と使用方法

シートベルト固定式の取り付け手順

シートベルト固定式のチャイルドシートは、正しく取り付けることで高い安全性を発揮します。誤った取り付けは事故時の危険性を高めるため、以下の手順を守って確実に固定しましょう(※20)。

基本的な取り付け手順 まず、チャイルドシートを車の座席に置く前に、座席のシートベルトを確認します。ねじれや損傷がないか、スムーズに引き出せるかをチェックしましょう。

次に、チャイルドシートを座席に置きます。背もたれにしっかりと押し付け、安定した位置を確認します。座面が傾斜している場合は、タオルなどで角度調整が必要な場合もあります。

シートベルトをチャイルドシートに通します。製品によって通し方が異なるため、必ず取扱説明書の図を確認しながら行いましょう。多くの製品では、シートベルトを通すための専用のガイドやフックが設けられています。

シートベルトのバックルをしっかりと差し込み、「カチッ」という音を確認します。その後、シートベルトの緩みを取るために、チャイルドシートを押さえながらシートベルトを強く引っ張ります。

最後に、チャイルドシート全体を前後左右に強く揺すってみて、動きが3cm以内であることを確認します。3cm以上動く場合は、再度シートベルトを締め直す必要があります(※21)。

よくある取り付けミス JAFの調査によると、シートベルト固定式で最も多い誤りは「シートベルトの締め付け不足」です。シートベルトが緩いと、衝突時にチャイルドシートが大きく動いてしまい、お子さまを守ることができません。

また、「シートベルトの通し方の誤り」も頻繁に見られます。腰ベルトと肩ベルトを逆に通してしまったり、指定されたガイドを通していなかったりすると、正しく固定されません。

さらに、「リクライニング角度の不適切」も問題です。特に乳児用のベビーシートでは、適切な角度でないと気道が圧迫される危険があります。多くの製品には角度インジケーターが付いているので、必ず確認しましょう。

【参考URL】 ※20 出典:国土交通省「チャイルドシート取り付けガイド」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※21 出典:JAF「チャイルドシート正しい取り付け方」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/childseat

ISOFIX式の取り付け手順

ISOFIX式のチャイルドシートは、シートベルト式に比べて簡単に確実な取り付けができる方式です。しかし、正しい手順を踏まないと本来の安全性能を発揮できません(※22)。 基本的な取り付け手順 まず、車の座席にあるISOFIX取り付け金具の位置を確認します。通常、後部座席の座面と背もたれの間にあり、カバーやタグで示されている場合が多いです。

チャイルドシートのISOFIXコネクターを車の金具に合わせます。多くの製品では、コネクターが赤や緑などの色で示されており、正しく接続されるとインジケーターの色が変わる仕組みになっています。

コネクターを金具に差し込み、「カチッ」という音がするまでしっかりと押し込みます。両側のコネクターが確実に固定されたことを、インジケーターの色変化や音で確認しましょう。

次に、トップテザーまたはサポートレッグを設置します。トップテザーは、座席の背もたれ後ろにあるフックに固定するベルトです。サポートレッグは、チャイルドシートから床面に伸ばす支柱です。どちらの方式かは製品によって異なります(※23)。

最後に、チャイルドシート全体を前後左右に強く揺すってみて、しっかりと固定されていることを確認します。ISOFIX式でも、3cm以上動く場合は再度取り付けをやり直す必要があります。 ISOFIX特有の注意点 ISOFIX式でも取り付けミスは起こります。最も多いのは「コネクターの不完全な接続」です。「カチッ」という音がしたと思っても、実際には金具の一部にしか引っかかっていない場合があります。インジケーターが完全に緑色(製品によって色は異なります)になっているか、必ず目視で確認しましょう。

また、「トップテザーやサポートレッグの未使用」も危険です。ISOFIXコネクターだけでは、前方への回転を防ぐことができません。必ずトップテザーまたはサポートレッグを併用してください。

さらに、車種によってはISOFIX金具の位置が奥まっていたり、カバーが硬くて開けにくかったりすることがあります。無理に力を入れすぎると、コネクターや金具を破損する恐れがあるため、取扱説明書をよく読んで慎重に作業しましょう。

【参考URL】 ※22 出典:国土交通省「ISOFIX取り付けマニュアル」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/ ※23 出典:国土交通省「ISOFIX補助固定装置について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/

子どもの正しい乗せ方とハーネス調整

チャイルドシートを正しく取り付けた後は、お子さまを正しく乗せることが重要です。特にハーネス(固定ベルト)の調整は、安全性に直結します(※24)。 お子さまの乗せ方 まず、お子さまを乗せる前に、ハーネスのバックル部分が開いていることを確認します。ハーネスが閉じたままだと、お子さまを無理に押し込むことになり、正しい姿勢で座らせることができません。

お子さまをチャイルドシートに座らせます。背中がしっかりと背もたれに密着するように、深く座らせることが重要です。浅く座っていると、衝突時に下に滑り落ちる「サブマリン現象」が起こる危険があります。

ハーネスをお子さまの肩に通し、バックルを股の部分でカチッと音がするまでしっかりと留めます。この時、ハーネスがねじれていないか必ず確認しましょう。 ハーネスの適切な調整方法 ハーネスの肩ベルトは、お子さまの肩の高さと合っている必要があります。後ろ向き使用の場合は肩と同じか少し下、前向き使用の場合は肩と同じか少し上が適切な位置です(※25)。多くのチャイルドシートでは、背もたれ裏側から肩ベルトの高さを調整できます。

次に、ハーネスの緩みを調整します。締め付けすぎも緩すぎも良くありません。適切な締め付けの目安は、お子さまの胸の前でハーネスをつまんだときに、指が1本入る程度です。指が2本以上入る場合は緩すぎ、全く入らない場合は締めすぎです。

胸のクリップ(チェストクリップ)がある場合は、お子さまの脇の高さに調整します。高すぎると首を圧迫し、低すぎると腹部に負担がかかります。 季節による注意点 冬場の厚着には特に注意が必要です。ダウンジャケットやコートを着たままチャイルドシートに乗せると、ハーネスが緩くなり、衝突時にお子さまが抜け出てしまう危険があります。車内では厚手の上着を脱がせ、降車時に着せるようにしましょう。寒い場合は、ハーネスを締めた後にブランケットをかけることをおすすめします。

夏場は、チャイルドシート自体が高温になることがあります。特に黒や濃い色のシートは熱を吸収しやすいため、乗車前に座面の温度を確認し、必要に応じてタオルをかけるなどの対策をしましょう。

【参考URL】 ※24 出典:国土交通省「チャイルドシート使用マニュアル」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※25 出典:JAF「ハーネス調整ガイド」 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/childseat

よくあるトラブルと解決法

子どもが嫌がる場合の対処法

多くの保護者が直面する問題が、「お子さまがチャイルドシートを嫌がる」というものです。安全のために必要とはいえ、毎回泣いたり暴れたりされると、外出が憂鬱になってしまいますよね(※26)。 嫌がる理由を理解する お子さまがチャイルドシートを嫌がる理由は、年齢や性格によって様々です。乳児期は、単に慣れない姿勢や拘束感を嫌がることが多いです。1歳から3歳頃は、自我が芽生え、自由に動きたいのに制限されることへの不満が主な理由になります。4歳以降は、退屈さや窮屈さを訴えることが増えてきます。 年齢別の対処法 乳児期(0歳から1歳)の場合、まずチャイルドシートの角度や締め付けが適切か確認しましょう。きつすぎても緩すぎても不快感の原因になります。また、お気に入りのおもちゃを取り付けたり、優しく話しかけたりすることで安心感を与えることができます。

幼児期(1歳から4歳)の場合、チャイルドシートに乗ることを「特別なこと」として楽しい印象を持たせる工夫が効果的です。「○○ちゃんの特別な椅子」という呼び方をしたり、乗る前に「さあ、車の冒険に出発だよ!」と声をかけたりすることで、前向きなイメージを作ります。

また、お気に入りのぬいぐるみにも「シートベルト」をしてあげることで、自分だけが制限されているわけではないと理解させることもできます。

学童期(4歳以上)の場合、なぜチャイルドシートが必要なのかを年齢に応じて説明することが大切です。「あなたの大切な体を守るため」という理由を理解させましょう。また、車内での楽しみを用意することも効果的です。音楽を聴いたり、しりとりなどの言葉遊びをしたりすることで、退屈さを紛らわせることができます。 避けるべき対応 一方で、避けるべき対応もあります。まず、泣いたり嫌がったりするからといって、チャイルドシートを使わないことは絶対にやめましょう。一度でも例外を作ってしまうと、お子さまは「嫌がれば使わなくていい」と学習してしまいます。

また、無理やり押さえつけて乗せることも、恐怖心を強めるだけなので逆効果です。落ち着いて、優しく、しかし毅然とした態度で対応することが重要です。

【参考URL】 ※26 出典:厚生労働省「子どもの事故防止ハンドブック」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/

汗をかきやすい・蒸れる問題

特に夏場に多い悩みが、チャイルドシートでの汗や蒸れです。お子さまは大人よりも体温が高く、汗をかきやすいため、快適性を保つ工夫が必要です(※27)。 蒸れ対策グッズの活用 最も効果的なのは、通気性の良いシートカバーやクッションを使用することです。メッシュ素材のものや、冷感素材のシートカバーが市販されています。これらは洗濯もできるので、衛生的に使用できます。

また、背中とシートの間に入れる通気クッションも効果的です。わずかな隙間を作ることで空気の流れを生み、蒸れを軽減できます。 車内環境の調整 エアコンの風向きを調整し、チャイルドシートに座っているお子さまに直接風が当たるようにすることも有効です。ただし、冷やしすぎには注意が必要です。温度は26度から28度程度が適切とされています。

また、サンシェードを使って直射日光を遮ることで、車内温度の上昇を抑えることができます。特に後部座席の窓には、必ずサンシェードを取り付けましょう。 こまめなケア 長時間のドライブの場合は、定期的に休憩を取り、お子さまをチャイルドシートから降ろして体を冷やす時間を設けましょう。また、汗をかいた場合は、タオルでこまめに拭いてあげることで、あせもなどの肌トラブルを防げます。

着替えを用意しておき、汗をかいたらすぐに着替えさせることも大切です。特に下着が濡れたままだと、体が冷えて風邪の原因になることもあります。

【参考URL】 ※27 出典:厚生労働省「子どもの熱中症予防」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/

きょうだいで使う場合の注意点

複数のお子さまがいるご家庭では、チャイルドシートの配置や使い分けに悩むことも多いでしょう。安全性と利便性の両立を図るためのポイントをご紹介します(※28)。 座席配置の基本原則 まず、最も安全な座席は後部座席の中央とされています。側面衝突時のリスクが最も低いためです。ただし、車種によっては中央座席にISOFIX金具がなかったり、座面が狭かったりすることがあります。

一般的な配置としては、小さいお子さまを中央、大きいお子さまを両サイドに配置することが推奨されます。ただし、授乳や世話が必要な乳児がいる場合は、保護者が手を伸ばしやすい位置に配置することも検討しましょう。 3人以上のお子さまがいる場合 5人乗りの車で幼児が3人以上いる場合、全員にチャイルドシートを使用すると乗車できなくなることがあります。この場合、前述の通り使用義務が免除されますが、可能な限り使用することが推奨されています(※29)。

対策としては、横幅の狭いチャイルドシートを選ぶことで、3つ並べて取り付けられる場合があります。また、7人乗り以上の車への買い替えを検討することも一つの選択肢です。 チャイルドシートの共用について 年齢が近いきょうだいの場合、兼用タイプのチャイルドシートを複数の子どもで使い回すことを考えるかもしれません。ただし、安全性の観点からは、それぞれの子どもに専用のシートを用意することが理想的です。

やむを得ず共用する場合は、使用のたびに必ず体格に合わせてハーネスやヘッドレストの高さを調整してください。調整を忘れると、正しく保護できません。

【参考URL】 ※28 出典:警察庁「複数のチャイルドシート使用について」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html ※29 出典:警察庁「チャイルドシート使用義務の免除」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/

買い替え・処分・レンタル・中古購入のポイント

買い替え時期の判断基準

チャイルドシートは、お子さまの成長に合わせて買い替える必要がありますが、それ以外にも買い替えを検討すべき状況があります(※30)。 成長に伴う買い替え 前述の通り、お子さまの身長・体重が製品の使用範囲を超えた場合は、必ず買い替えが必要です。これに加えて、以下のような状態が見られる場合も買い替えを検討しましょう。

ハーネスやシートベルトを最大に調整しても窮屈そうにしている、頭が完全にヘッドレストから出ている、座ったときに膝が大きく曲がって前の座席に当たる、といった状態は、すでにサイズが合っていないサインです。 経年劣化による買い替え チャイルドシートには使用期限があります。一般的には製造から6年程度とされていますが、製品によって異なるため、必ず取扱説明書や製品本体の表示を確認しましょう(※31)。

使用期限を過ぎたチャイルドシートは、プラスチック部品の劣化や、ハーネスの強度低下により、衝突時に十分な保護性能を発揮できない可能性があります。

また、以下のような状態が見られる場合も、使用期限前でも買い替えを検討すべきです。プラスチック部品にひび割れや変形がある、ハーネスがほつれている、バックルの留めが緩くなっている、クッション材が潰れて戻らない、などです。 事故後の買い替え たとえ小さな事故であっても、衝突を経験したチャイルドシートは買い替えることが強く推奨されます。外見上は問題がなくても、内部の構造が損傷している可能性があるためです(※32)。

特に以下のような事故の場合は、必ず買い替えてください。エアバッグが作動した、車が走行不能になった、ドアが変形して開かなくなった、お子さまがシートに座っていた、といった状況です。

軽微な追突で、お子さまが乗っておらず、チャイルドシート付近に損傷がない場合でも、念のためメーカーに問い合わせることをおすすめします。

【参考URL】 ※30 出典:国土交通省「チャイルドシート買い替えガイドライン」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html ※31 出典:国土交通省「チャイルドシート使用期限について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/ ※32 出典:国土交通省「事故後のチャイルドシート取り扱い」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/

安全な処分方法

使わなくなったチャイルドシートは、適切に処分する必要があります。誤った方法で処分すると、環境への負荷や、危険な再利用につながる可能性があります(※33)。 自治体の粗大ごみとして処分 最も一般的な処分方法は、自治体の粗大ごみとして出すことです。多くの自治体では、チャイルドシートを粗大ごみとして回収しています。

処分の手順は、まず自治体のウェブサイトや電話で粗大ごみの収集を申し込みます。指定された処理券を購入し、収集日にチャイルドシートに貼り付けて指定場所に出します。

費用は自治体によって異なりますが、一般的には300円から1,000円程度です。 再利用を防ぐための処理 チャイルドシートを処分する際は、他の人が誤って使用することを防ぐために、以下の処理をすることが推奨されています。

まず、ハーネスやシートベルトをはさみで切断します。次に、油性マジックで「使用不可」「事故品」などと大きく書きます。可能であれば、プラスチック部分の一部を壊して、明らかに使用できない状態にします。

これらの処理により、ごみ置き場から持ち去られて危険な状態で再利用されることを防げます。 リサイクルプログラムの活用 一部のメーカーや販売店では、使用済みチャイルドシートの回収・リサイクルプログラムを実施しています。これらのプログラムでは、回収したチャイルドシートを適切に分解し、リサイクル可能な部品を再資源化しています。

店舗によっては、新しいチャイルドシート購入時に古いものを引き取ってくれるサービスもあります。購入を検討している店舗に問い合わせてみましょう。

【参考URL】 ※33 出典:環境省「廃棄物の適正処理」 https://www.env.go.jp/recycle/

レンタルサービスの活用法

チャイルドシートは使用期間が限られているため、購入ではなくレンタルを検討する方も増えています。レンタルのメリットと注意点を理解して、賢く活用しましょう(※34)。 レンタルが適している状況 レンタルサービスが特に有効なのは、以下のような状況です。

帰省や旅行など、短期間だけ必要な場合は、購入するよりもレンタルの方が経済的です。特に飛行機や新幹線での移動時に、現地でレンタルすることで、持ち運びの手間を省けます。

また、成長が早い時期や、お試しで使ってみたい場合にも便利です。特に、高額なチャイルドシートを購入する前に、同じモデルをレンタルして使用感を確認することができます。

さらに、祖父母の車用として、時々使用する程度であれば、レンタルで済ませることも選択肢の一つです。 レンタル時の確認事項 レンタルサービスを利用する際は、以下の点を必ず確認しましょう。

まず、衛生管理です。レンタル品は複数の人が使用するため、清掃・消毒がしっかり行われているか確認しましょう。信頼できる業者では、使用後に分解清掃と消毒を実施しています。

次に、安全基準への適合です。最新の安全基準(EマークまたはR129など)に適合した製品かどうかを確認します。古い基準の製品は、安全性が十分でない可能性があります。

また、使用期限内の製品かどうかも重要です。製造から6年以上経過した製品は避けましょう。製造年月日は製品本体に表示されているので、受け取り時に確認してください。

さらに、破損や汚れがないかを受け取り時に確認し、気になる点があれば交換を依頼しましょう。 主なレンタルサービス チャイルドシートのレンタルサービスには、以下のような種類があります。

ベビー用品レンタル専門店では、1日から数ヶ月単位でレンタルできます。配送サービスもあり、自宅まで届けてもらえる業者も多いです。

レンタカー会社では、車のレンタルと同時にチャイルドシートもレンタルできます。ただし、数に限りがある場合が多いため、事前予約が必要です。

また、自治体によっては、無料または低料金でチャイルドシートを貸し出すサービスを実施しているところもあります。お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。

【参考URL】 ※34 出典:消費者庁「レンタルサービス利用の注意点」 https://www.caa.go.jp/policies/

中古品購入時の注意点

経済的な理由から中古のチャイルドシートを検討する方もいるでしょう。しかし、中古品には安全上のリスクがあるため、慎重な判断が必要です(※35)。 中古品の主なリスク 中古のチャイルドシートには、いくつかの重要なリスクがあります。

最大のリスクは、過去に事故に遭っているかどうかが不明な点です。前述の通り、事故を経験したチャイルドシートは、外見上問題がなくても内部構造が損傷している可能性があります。

また、使用期限が不明確な場合が多いです。製造年月日の表示が消えていたり、取扱説明書がなかったりすると、使用期限を確認できません。

さらに、部品の欠損や、取扱説明書の不足も問題です。正しく取り付けられない、調整方法がわからないといった状況は、安全性を大きく損ないます。 購入を検討できる条件 中古品を購入する場合は、最低限以下の条件をすべて満たす必要があります。

まず、出所が明確であることです。親族や知人から譲り受ける場合は、使用歴を詳しく聞くことができますが、フリマアプリやオークションでの購入は避けた方が無難です。

次に、事故歴がないことが確実であることです。「事故歴なし」と記載されていても、それを証明する方法はありません。できるだけ信頼できる相手から入手しましょう。

また、製造年月日が明記されており、使用期限内であることも必須です。一般的には製造から3年以内の製品が望ましいでしょう。

さらに、取扱説明書が揃っていることです。メーカーのウェブサイトからダウンロードできる場合もありますが、確実に入手できることを確認してください。

そして、破損や劣化が見られないことです。プラスチック部分のひび割れ、ハーネスのほつれ、バックルの不具合などがないか、細かく確認しましょう。 専門家の推奨 国土交通省やJAFなどの専門機関は、基本的に中古のチャイルドシートの使用を推奨していません(※36)。特に、出所不明の製品や、事故歴が確認できない製品は避けるべきとしています。

お子さまの命を守るための重要な安全装置であることを考えると、できる限り新品を購入することが望ましいでしょう。どうしても予算が厳しい場合は、自治体の助成金制度や、前述のレンタルサービスの活用も検討してください。

【参考URL】 ※35 出典:消費者庁「中古チャイルドシート使用の注意喚起」 https://www.caa.go.jp/policies/ ※36 出典:国土交通省「チャイルドシート選定ガイド」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/childseat.html

助成金・補助金制度の活用

自治体による購入補助制度

チャイルドシートの購入費用を補助する制度を設けている自治体が多数あります。この制度を活用することで、経済的負担を軽減できます(※37)。 補助制度の一般的な内容 自治体による補助制度の内容は地域によって異なりますが、一般的には以下のような形態があります。

購入費用の一部補助が最も多く、購入金額の半額(上限あり)や、定額(例:5,000円)を補助するものです。上限額は自治体によって異なりますが、5,000円から10,000円程度が一般的です。

また、購入費用の全額補助を行っている自治体もあります。ただし、対象となる製品や金額に上限が設定されている場合がほとんどです。

さらに、無償貸与制度を実施している自治体もあります。これは、チャイルドシート自体を無料で貸し出すもので、使用後は返却する仕組みです。 補助を受けるための条件 補助制度を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。

まず、居住地の要件です。その自治体に住民登録があることが基本条件となります。また、お子さまの年齢制限がある場合が多く、多くは6歳未満または小学校入学前までとなっています。

申請期限も重要です。購入後一定期間内(例:購入から3ヶ月以内)に申請することが求められる場合が多いため、購入前に制度を確認しておくことが大切です。

また、安全基準を満たした製品であることが条件となっている自治体もあります。EマークまたはR129などの安全基準マークがついた製品が対象です。 申請方法と必要書類 申請には通常、以下のような書類が必要です。

申請書(自治体の窓口またはウェブサイトで入手)、購入したチャイルドシートの領収書またはレシート、製品の安全基準マークが確認できる写真または説明書のコピー、振込先の銀行口座情報、住民票(自治体によっては不要)などです。

申請先は、市役所や区役所の子育て支援課、福祉課などが一般的です。郵送での申請を受け付けている自治体もあります。 制度の調べ方 お住まいの自治体の補助制度は、以下の方法で調べることができます。

自治体のウェブサイトで「チャイルドシート 補助」「チャイルドシート 助成」などのキーワードで検索します。また、市役所や区役所の子育て支援課、福祉課に直接電話で問い合わせることもできます。

さらに、母子手帳の交付時に、チャイルドシート補助制度の案内がある場合もあるため、その際に確認しておくとよいでしょう。

【参考URL】 ※37 出典:厚生労働省「地方自治体の子育て支援施策」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/

まとめ

チャイルドシートは、法律で6歳未満のお子さまに使用が義務付けられていますが、実際には身長140cmに達する10歳から11歳頃まで使用することが推奨されています。お子さまの安全を守るためには、年齢だけでなく身長・体重に応じた適切なチャイルドシートを選び、正しく取り付け、成長に合わせて買い替えることが重要です。

チャイルドシートには、新生児用のベビーシート、幼児用のチャイルドシート、学童用のジュニアシートの3種類があり、それぞれお子さまの成長段階に合わせて設計されています。安全基準マーク(Eマークや自マーク)を確認し、車種との適合性をチェックして選びましょう。

取り付けの際は、シートベルト固定式でもISOFIX式でも、取扱説明書をよく読んで正しい手順で行うことが大切です。JAFの調査では約60%が誤った取り付けをしているという結果もあり、正しい取り付けがお子さまの命を守る鍵となります。

お子さまがチャイルドシートを嫌がる、汗をかきやすいといった日常的な悩みには、年齢に応じた声かけや、通気性の良いシートカバーの使用など、様々な対処法があります。また、多くの自治体では購入費用の補助制度を設けているため、ぜひ活用しましょう。

チャイルドシートは、大切なお子さまの命を守るための重要な安全装置です。面倒に感じることもあるかもしれませんが、正しく使用することで、万が一の事故からお子さまを守ることができます。

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