最終更新日:2025年10月03日
タクシー運転手ってどんな仕事だろう?給料は稼げるの?休みは取れるの?
タクシー運転手の仕事に興味はあるものの、不安や疑問を感じていませんか。実はタクシー運転手は普通自動車第二種免許さえ取得すれば未経験からでも挑戦でき、働き方次第で自分のペースを保ちながら安定した収入も目指せる職業です。
この記事では、公的機関のデータを参照しながらタクシー運転手の具体的な仕事内容、勤務形態と休日、平均年収・給与体系、仕事の魅力と大変な点、活躍している人の特徴、そして未経験者への研修・サポートまでを徹底解説します。
タクシー運転手の最も重要な役割は、乗客を安全に目的地まで送迎することです(※1)。お客様から目的地と経路を確認し、安全運転でお客様を送り届け、降車時に料金メーターの運賃を受け取ります。また、運送記録として走行経路や乗降時刻、運賃などを記録する業務も含まれます。
タクシー会社に勤務する場合、出勤後に車両点検やアルコールチェックを行ってから営業を開始します。 営業方法は状況に応じて使い分けており、街中を流してお客様を探す「流し営業」、駅・ホテル・病院等の乗り場で待機する「付け待ち営業」、配車アプリや無線指示での迎車対応などがあります。
タクシー運転手にはサービス業としての側面もあります。乗降時の荷物の持ち運びを手伝ったり、道中に軽く会話してご要望を聞いたりといった接客も大切な仕事です。安全運転に支障がない範囲で、困っているお客様を助け感謝の言葉を直接いただける場面も多く、人の役に立つやりがいが感じられる職業です。
タクシーには大きく分けて以下の種類があります。
・一般的なタクシー(法人タクシー乗務員・個人タクシー) ・ハイヤー(完全予約制の役員送迎など高級車によるタクシー) ・観光タクシー、介護タクシーなどの専門タクシー
基本の仕事内容は共通ですが、例えばハイヤーは専属契約で街中での流し営業は行わない、観光・介護タクシーでは専門知識や資格が求められる場合があるなど、サービス内容に応じて求められるスキルや勤務形態も異なります。自分の興味や得意分野に合わせてタクシー業務のジャンルを選ぶことも可能です。
【参考URL】 ※1 出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(jobtag)タクシー運転手」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/188
タクシー運転手の勤務形態は主に3つあり、「昼日勤」「夜日勤」「隔日勤務」に分かれます。各勤務で労働時間帯や休日数が異なり、自分の生活リズムに合った働き方を選ぶことができます。
昼日勤は朝から夕方までの日中勤務です。一般的に8時間労働+1時間休憩の計9時間拘束で、例として「8時~17時」等の勤務が多くなっています。夜勤がないため生活リズムが安定しやすく、家庭のある方や夜間勤務が難しい方にも適した働き方です。
厚生労働省の基準では日勤の拘束時間は原則13時間以内(上限15時間)、週3回を超えて14時間超の勤務をさせてはならないと規定されています(※2)。勤務後は最低9時間以上(継続11時間が望ましい)の休息を取らなければなりません。月あたりの乗務日数は22~24日程度が一般的です。
夜日勤は夕方から深夜~早朝にかけての勤務です。勤務時間は実働8時間+休憩1時間で、例えば「17時~翌2時」や「18時~翌3時」等が一般例です。22時以降は深夜料金で運賃が2割増になるため効率的に稼ぎやすいメリットがあります。
「夜型で深夜勤務が苦にならない」「高収入を目指したい」方に向いています。一方、昼夜逆転の生活になりやすいことや、酔客対応が増える傾向から身体的・精神的負担も考慮が必要です。
隔日勤務は1回の乗務時間が長く、その翌日を明け休み(非番)とする勤務です。早朝から深夜(翌朝)までの勤務を行い(拘束時間は15~20時間で途中計3時間程度の休憩を挟む)、終業後は必ず24時間以上の休息を取ります。
厚労省の基準では隔日勤務1回あたりの拘束時間は最大21時間以内、2回の乗務の平均が21時間を超えないこととされ、勤務終了後は必ず22時間以上の休息を取らなければなりません(※3)。このため月間勤務は11~13回程度に限られ、月の半分以上が休日になります。明け休みと公休日を組み合わせて連休も取得しやすく、プライベートの時間をまとめて確保しやすい働き方です。
タクシー運転手の労働時間は厚生労働省によって厳格に規制されており、違反時には厳しい罰則があります。全てのタクシー会社はこの範囲内で勤務シフトを組んでおり、「隔日勤務では1出番(乗務)につき最長21時間以内、乗務後は20時間以上の休息を取ることが必須」等のルールが順守されています。そのためサービス残業や極端な長時間労働は認められず、ルールに沿って勤務が終われば必ず休息となります。
隔日勤務では「明け休み」を含め月の半分ほどが休日となり、昼日勤でも法定内で適切に休日が設定されます。初めは不規則な勤務に戸惑うかもしれませんが、シフトに慣れれば一般的な会社員と比べても休日が多く感じられるでしょう。平日が休みになるケースも多く、役所手続きや銀行対応、レジャーなどを空いている平日に行えるメリットもあります。
【参考URL】 ※2 出典:厚生労働省「改善基準告示」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html ※3 出典:厚生労働省「自動車運転者の労働条件に関する規定」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html
タクシー運転手の平均年収は統計の取り方によって差があります。職業情報提供サイト(日本版ONET)によれば平均約419万円と報告されています(※4)。一方でタクシー業界全体の実態調査では、全国平均で約280万円、東京都内では約337万円とのデータもあります(※5)。
都市部と地方で乗客需要に差があることや、タクシー運転手の年齢層が高く(平均年齢58歳)高齢の定時制乗務員(週数日の勤務の嘱託社員など)が多く含まれることから、全体の平均年収は他業種に比べ低めに見える傾向があります。しかし裏を返せば、現役世代でフルタイム稼働するドライバーは平均を上回る収入を得やすいとも言えます。実際、40代で平均年収560万円超との統計もあり、努力次第で高収入を狙える歩合制ならではの特徴が表れています。
タクシー会社の給与体系は特殊で、大きくA型賃金・B型賃金・AB型賃金の3種類があります。
A型賃金(固定給+歩合給+賞与など) 固定給に加え営業成績に応じた歩合給や賞与が支給される体系です。安定性が高い反面、歩合率は低めで頑張っても収入に反映されにくい点があります。かつては主流でしたが現在A型を採用する会社は少なく、一部のハイヤー専属など特殊ケースに限られます。
B型賃金(完全歩合制) 月間の営業売上に一定の歩合率(一般に50~60%程度)を掛けた額がそのまま給与になる体系です。稼いだ分だけ収入が増えるシンプルな仕組みで、ベテランドライバーには最も人気があります。年収1,000万円近くを稼ぐトップドライバーも存在し、意欲次第で高収入を目指せます。ただし固定給がないため売上が少ない月は収入が不安定になるリスクも伴います。
AB型賃金(A型+B型の折衷) 現在多くのタクシー会社で採用されている給与体系です。基本はB型(歩合)ですが、一部に最低保障となる固定給や賞与も含まれる仕組みで、歩合制のやりがいと一定の安定収入の両立を図った形です。新人期間中は固定給を手厚くする会社も多く、未経験者でも安心して歩合営業に慣れていけるメリットがあります。
タクシー業界は歩合制が主流ですが、最低賃金法の適用外ではありません。どの賃金体系であっても地域の最低賃金額は保障されるため、「売上ゼロで給与が0円」ということはなく、法律上も一定の下支えがあります。多くの会社で新人乗務員に数ヶ月間の給与保障(例:乗務開始後3ヶ月は月○○万円保証など)制度を設けており、歩合制未経験者でも収入面の不安なく軌道に乗れるよう支援しています。
【参考URL】 ※4 出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(jobtag)」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/188 ※5 出典:全国ハイヤー・タクシー連合会「タクシー運転者の賃金・労働時間(令和3年)」 https://www.mlit.go.jp/statistics/content/001617551.pdf
タクシー運転手は基本的に一人で業務にあたるため、上司や同僚に細かく指示されることが少なく、裁量を持って働ける職種です。営業エリアや休憩タイミングも自分の判断で選択でき、組織の人間関係に煩わされにくい利点があります。会社によってはシフトの希望も柔軟に出せるため、ライフスタイルに合わせて勤務日数や時間帯を調整しやすい環境です。
隔日勤務を選べば月の半分以上が休みとなり、連休も取得できます。また、平日休みになることが多いため「日曜夜の憂鬱がなくなった」「役所や病院にスムーズに行ける」など従来の土日中心生活とは違うゆとりを実感する声もあります。自分の体調管理と予定調整がしやすく、ワークライフバランスを取りやすい仕事と言えます。
給与形態の項で述べた通り、歩合制では自分の努力が収入に直結します。営業成績を上げれば上げるほど月収が伸び、繁忙期や深夜帯をうまく活用すれば年収1,000万円以上を達成するドライバーも現実に存在します。モチベーション高く取り組めば短期間で収入アップを実現できる点は、固定給の仕事にはない醍醐味です。
タクシーは公共交通が少ない時間帯・地域で欠かせない移動手段であり、常に一定の需要があります。近年は配車アプリの普及やAI需要予測システムの導入などで利便性が向上し、利用者数も増加傾向にあります(※6)。
加えて、業界全体で運転者不足が深刻化しており、人手確保が課題となっています。実際、令和5年7月時点のタクシー運転者の有効求人倍率は4.15倍と全産業平均(1.15倍)を大きく上回っており、売り手市場で採用されやすい状況です(※7)。国土交通省も令和4年度補正予算で二種免許取得費用の補助制度を創設するなど人材確保策を進めています。これらにより待遇改善も進みつつあり、今後ますます安心して長く働ける環境が整うことが期待できます。
老若男女さまざまなお客様と出会えるのもタクシー運転手の魅力です。乗車中の会話から人生の教訓を得たり、観光案内で感謝されたりと、日常では味わえない交流があります。直接「ありがとう」と言ってもらえる機会も多く、誰かの役に立っている実感が得られる仕事です。運転好きな方にとっては、好きな運転を通じて社会貢献できる点も大きなやりがいでしょう。
日々様々な場所に赴くため、自然と土地勘が磨かれます。裏道や近道に精通することで効率良く走行でき売上アップにもつながります。また美味しい飲食店や観光スポットの知識が増え、自分の生活にも役立つ楽しさがあります。地元を再発見できるのもタクシー運転手ならではのメリットです。
タクシー業界は他業種と比べ定年年齢が高めで、60代以降も現役で働く人が多数います。会社によっては定年制を設けず70代以上でも嘱託乗務員(定時制)として継続雇用するケースも多く、全国ハイヤー・タクシー連合会の調査では33,237人が定時制乗務員という結果が出ています(※8)。
年齢に関係なく挑戦・活躍できる職場であり、健康で意欲があれば70代・80代でも続けられる仕事です。これは「一度身につけた技術で長く働ける」という安定性につながり、人生100年時代において大きな魅力となっています。
【参考URL】 ※6 出典:国土交通省「交通政策白書2023」 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_fr_000154.html ※7 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html ※8 出典:全国ハイヤー・タクシー連合会「定時制乗務員数・新卒者乗務員採用状況」 https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20240627018.pdf
運転が主な業務である以上、どうしても交通事故のリスクと隣り合わせです。一般的なオフィスワーク等に比べれば事故遭遇率が高く、「タクシー運転手は危ない」と言われる一因にもなっています。特に勤務中は長時間にわたり集中力を維持する必要があり、疲労が蓄積すると注意力が低下して事故率が上がる懸念があります。
もっとも、各社とも乗務前の健康チェックや点呼を義務化し、異常があれば乗務停止とするなど安全対策を徹底しています(※9)。国土交通省の調査でも、タクシー業界全体でAIを活用した安全運転支援システム導入や乗務員への健康教育など事故防止策が進められていることが報告されています。リスクはゼロにできなくとも、運転技術の向上と休憩の適切な取得で限りなく安全に近づける努力が求められます。
タクシーは24時間動いているため、早朝・深夜の勤務や長時間労働が避けられません。隔日勤務では1回の乗務が丸一日近くに及ぶため、体力的にきついと感じる人も多いです。また夜勤では生活リズムが昼夜逆転し、睡眠不足や生活習慣病のリスクも高まります。
深夜帯は酔客の対応や治安面の不安もあり、精神的ストレスを感じやすいでしょう。こうした勤務の負担に備え、各乗務員は十分な仮眠・休息の確保や体調管理に一層気を配る必要があります。会社側でも明け休みを長めに設定したり、希望に応じ日勤専門の勤務枠を用意するなど負担軽減に取り組んでいます。
タクシー運転手の給与は歩合制ゆえに月々の変動が大きい場合があります。忙しい月と閑散期で売上に差が出るのはもちろん、体調不良で休めばその分収入も減ってしまいます。特に日勤専門で夜間の深夜割増時間帯に働かない場合や、地方都市など人口が少なく需要の波が大きい地域では平均収入が低めになる傾向があります。
ただしその反面、都市部や繁華街で積極的に営業したり深夜帯もいとわず働くドライバーは高収入を得やすく、稼ぐ人と稼げない人の差が大きい職業とも言えます。完全歩合制が不安な人は固定給のある会社を選ぶ、歩合比率の低いA型賃金の会社で安定を優先するといった選択肢も可能です。
不特定多数のお客様を相手にする以上、中にはマナーの悪い乗客や理不尽なクレームに遭遇することもあります。酔っ払いや機嫌の悪い乗客から暴言を吐かれたり、料金支払いを巡る揉め事、経路に関するクレーム等、精神的に参ってしまうケースもゼロではありません。
深夜の繁華街では乗車拒否できない軽微なトラブルが頻発することもあり、接客業としてのストレス耐性が求められます。各社とも防犯カメラや防護板の設置を進めたり、社内研修でクレーム対応方法を指導するなどサポートしていますが、最終的にはドライバー個々の冷静な対処と割り切りも必要です。
一乗務中はほとんど運転席に座りっぱなしになるため、腰痛や足のむくみなど体への負担が蓄積しやすい仕事でもあります。特に隔日勤務では連続20時間近い乗務となることもあり、体力に自信がないと「きつい」と感じやすいでしょう。
対策として、シートポジションを細かく調整して負担を軽減したり、合間にこまめに休憩・ストレッチを取ることが大切です。会社にもよりますが休憩タイミングは乗務員の自主性に任されており、空車時間にサービスエリアや待機場で休憩・仮眠するなど各自工夫して健康管理に努めています。
カーナビや地図アプリはあるものの、タクシードライバーには的確なルート選択のスキルが求められます。土地勘がない新人時代は目的地まで迷わずに行けるか不安になることも多く、道を覚えるまでに時間がかかるのが実情です。
渋滞や工事で迂回が必要になった際、地理に不慣れだととっさに最適ルートを提案できず、お客様から不信感を持たれる場合もあります。東京都など一部地域では地理試験(タクシーセンター試験)が義務付けられており、合格しないと営業できない仕組みで新人の質を担保しています。日々の乗務を通じてコツコツとローカル知識を蓄える努力が必要ですが、裏を返せば経験を積むほど確実に走りやすくなり仕事が楽しくなるということでもあります。
タクシー運転手は特殊な技能職であり、身につくスキル(第二種免許や接客経験・営業ノウハウなど)は主に同業界や運送業で活きるものです。そのため、例えば事務職やIT業界など異業種へ転職しようとする場合、直接的に活かせる専門スキルが少なく感じてしまうかもしれません。
もっとも、タクシーで培ったコミュニケーション能力は営業職に、安全運転技術はバスやトラック等の運転業務に活用できるでしょう。将来別の道に進む可能性がある方は、在職中から一般的なPCスキルの習得や資格取得に挑戦するなど、選択肢を広げる努力をしておくと安心です。
【参考URL】 ※9 出典:国土交通省関東運輸局「タクシー事業者による事故防止のための取組事例」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/taxi.html
タクシー運転手は中高年層が多数を占めています。厚生労働省の調査では平均年齢が約59.7歳(令和5年)で、全産業労働者の43.9歳よりも15.8歳も高く、高齢化が進んでいます(※10)。特に地方では定年退職後に嘱託として働くドライバーも多く、全国の乗務員の2割以上が週3日程度勤務の定時制社員となっています。70歳以上の現役運転手も珍しくなく、健康と運転適性さえ問題なければ高年齢でも活躍できる仕事です。
一方、最近では人手不足解消のため若年層の採用も進んでおり、新卒でタクシー業界に入る人も増加傾向にあります。運転者不足に悩む業界を背景に、年齢に関係なく意欲ある人材を受け入れる土壌が整っています。
男性が大半ですが、近年女性ドライバーも増えています。令和3年時点で女性タクシー運転手は全国で9,723人(全体の約3.7%)でしたが、令和5年版国交白書によると業界全体の女性比率は4.3%まで上昇しています(※11)。
国土交通省は女性ドライバーの活躍推進のため「女性ドライバー応援企業」認定制度を創設し、女性が働きやすい環境整備に取り組む企業を支援しています(※12)。例えば出産・育児と両立できる日勤勤務や、女性専用設備の拡充、防犯面の強化などが進められており、今後さらに女性参入が増える見通しです。実際「気配りの行き届いた接客が好評」「女性乗客が安心して乗れる」といった評価もあり、女性ならではの強みが発揮できる職業と言えます。
未経験からスタートする人が大半です。厚労省の業界ハンドブックによれば、現在タクシードライバーとして働く人の約70%が他業界からの転職組で占められています(※13)。採用条件も学歴や職歴を問わない会社がほとんどで、「第二種運転免許」を取得済み、または入社後に取得する意欲があれば歓迎されます。営業や接客など異業種の経験も活かせるため、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まっている点も特徴です。
運転が好き・得意
基本中の基本ですが、安全かつスムーズな運転を苦に感じない人が向いています。運転技術は経験で上達しますが、長時間運転そのものに抵抗がないことは大切です。車の運転が好きで道路を走るのが楽しい、と感じられる方は適性十分でしょう。
接客・コミュニケーションが苦にならない タクシーはサービス業でもあるため、人と接するのが好きな方に向いています。お客様とのちょっとした会話や気配りができると乗務も円滑です。もっとも、無理に饒舌である必要はなく、丁寧な言葉遣いと笑顔、身だしなみがきちんとしていれば問題ありません。人見知りだけど誠実に対応できる人も信頼を得ています。
自己管理ができる 不規則勤務や長時間労働に対応するには、体調管理や時間管理の能力が欠かせません。生活リズムの調整、休息日での十分な睡眠・体力回復、適度な運動習慣など、自分の健康を維持できる人ほど長く活躍できます。また歩合制では自己目標を立てて営業計画を管理する力も重要です。誰からの監督もなく自主的に動ける人はタクシーの仕事に向いています。
一人の時間を苦にしない 勤務時間の大半は一人で車内にいるため、単独行動が平気な人が適しています。常に誰かと話したりチームで連携する仕事ではないので、自分のペースで黙々と作業するのが好きな方に合うでしょう。逆に「職場で人と交流がないと寂しい」という人には単独勤務の多い環境は向かないかもしれません。ただし営業所に戻れば同僚との情報交換もあり、相談できる先輩や仲間もいますので完全な孤独ではありません。
忍耐強くコツコツ努力できる タクシー業務は最初から思い通りに稼げるわけではなく、経験を積んで地理や接客術を磨くことが必要です。売上目標に届かなくてもめげずに試行錯誤できる根気強さがある人は最終的に成功します。また交通渋滞や乗客が捕まらない時間帯でも焦らず冷静にいられる落ち着きも大事です。逆に短気な人やすぐ結果を求めすぎる人はプレッシャーを感じやすいため、少しずつ成長していく姿勢を持つことが向いています。
【参考URL】 ※10 出典:厚生労働省「タクシー輸送の担い手の確保とその在り方」 https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20240627018.pdf ※11 出典:国土交通省「タクシー業界 女性ドライバー応援企業制度」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000081.html ※12 出典:国土交通省「女性ドライバー応援企業認定制度」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000081.html ※13 出典:厚生労働省「タクシー業界まるわかりHANDBOOK」 https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/taxi/work
タクシー運転手になるには普通自動車第二種免許が必須です(※14)。旅客(お客様)を有償で乗せて運転するための国家資格で、タクシーやバス運転手になるには二種免許を取得しなければなりません。
受験には原則「満21歳かつ第一種免許取得後3年以上」の条件がありますが、2022年5月より特例措置が導入され、所定の追加教習(特例教習)を受ければ満19歳・運転経験1年以上で受験可能となりました(※15)。この規制緩和により若年層でも早期にタクシー業界で働き始められるようになっています。
二種免許試験は学科と実技があり、合格率は57.2%(令和5年)と決して易しくはありませんが、教習所でしっかり学べば十分取得可能です。合格後は救急救護や旅客接遇に関する講習を受けて免許交付となります。(※10)
多くのタクシー会社では、入社前後に二種免許の取得支援制度を設けています。普通免許(第一種)しか持っていない未経験者を養成乗務員として採用し、教習所費用を会社が全額負担して二種免許を取得させるケースが一般的です。その際、教習期間中も日当(研修手当)を支給したり、免許取得後○年間の勤務を条件とするなどの契約を結ぶ場合があります。
国土交通省も運転者不足対策として事業者への二種免許取得費用補助を開始しており(※16)、業界を挙げて新規人材の資格取得をバックアップしています。未経験で不安な方も、金銭面を心配せずチャレンジできる環境です。
二種免許取得後、各社で乗務前研修が行われます。研修内容は会社によって異なりますが、概ね2週間~1ヶ月程度かけて以下のようなカリキュラムが組まれます。
地理研修 営業エリアの主要道路・地名やランドマークを学習。東京では地理試験合格のための対策講習も実施(未取得者のみ)。
接客・法令研修 乗務員の接客マナー、サービス心得、安全運転の知識、道路交通法や関係法令の理解、事故防止策等を学ぶ座学研修(※17)。
機器操作研修 メーターの扱い方、無線配車端末や決済機・タクシーアプリの操作方法、車載機器の使用方法を習得。
同乗教習(実地研修) 教官や先輩乗務員を隣に乗せた実車研修。教習車での模擬営業走行や、お客様役を乗せるロールプレイなどを通じて実践力を磨く。
営業所配属研修 配属先営業所で上司・先輩から営業のコツ(付け待ちポイントや無線の受け方)を伝授。数日間の新人添乗期間では先輩が実際に助手席に同乗し、接客や運転をサポートしてくれる。
このように研修体制が整っているため、未経験入社でもいきなり一人で営業に出されることはなく、十分に準備をしてからデビューできます。
晴れて一人立ちした後も、多くの会社で新人保証制度(例えば「乗務開始後3ヶ月間は月○○万円を保証」等)が用意されており、営業に不慣れな時期の収入を会社が補填してくれます。また営業所の管理者や先輩ドライバーが日報をチェックしてアドバイス(営業エリア選びや接客改善点の指導)をくれるなど、継続的なフォローアップが受けられます。
わからないことは先輩に同行させてもらいながら学ぶ機会もあり、業界未経験からでも安心して成長できる支援体制が整っています。
【参考URL】 ※14 出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(jobtag)タクシー運転手 就業するには」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/188 ※15 出典:警察庁「第二種運転免許受験資格の見直しについて(令和4年改正)」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/jyuken_tokurei.html ※16 出典:国土交通省「運転者不足対策・人材確保策」 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/kaigi4/kaigi4_siryou3.pdf ※17 出典:国土交通省関東運輸局「タクシー乗務員研修カリキュラム」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/taxi.html
タクシー運転手はお客様を安全に送迎するプロドライバーであり、昼勤・夜勤・隔日勤務など多様な働き方が選べて自分のペースで働ける仕事です。歩合制によって頑張り次第で高収入も期待でき、反面長時間運転や深夜勤務といった大変な面もあります。しかし業界全体で労働時間の適正化や収入アップの取り組みが進みつつあり(※18)、未経験者にも門戸が開かれています。
実際、必要な二種免許も会社の支援で取得可能で、充実した研修のもと多くの新人ドライバーが活躍を始めています。高齢まで働ける安定した職でありながら人と社会に貢献するやりがいも得られるタクシー運転手は、興味のある方にとってきっと魅力的なキャリアとなるでしょう。
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【参考URL】 ※18 出典:国土交通省「国土交通白書2023」 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_fr_000154.html