個人タクシー 資格の取得条件と許可申請|必要経験・試験まで解説

最終更新日:2026年04月17日

個人タクシー 資格
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個人タクシーとして独立したいけれど、「資格要件が複雑」「地域によって条件が違うの?」「何から準備すればいい?」と迷っている方は多いはずです。本記事は、国土交通省の地方運輸局が公示する最新の審査基準・法令試験の実施要領・必要書類・期限更新から休止までの要点を、公的資料だけで整理しています。あわせてe-Statの最新統計で業界の動き、国税庁の届出情報で独立後の手続きも押さえました。読み終えると、あなたの次の一手が明確になるはずです。

個人タクシーとは?

個人タクシーの定義(許可の根拠・「個人のみが運転」の条件)

個人タクシーは、道路運送法に基づく「一般乗用旅客自動車運送事業」の一形態です。許可を受けた個人が、自ら所有(または占有)する1台の車両のみで旅客を有償運送する事業であり、法令上「1人1車制」と呼ばれます。

「一般乗用旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じて、有償で自動車を使用して旅客を運送する事業のうち、乗合でなく乗用(主に4人以下)の形態で行うものです。そのなかでも個人タクシーは、「許可を受けた個人事業主その人だけが運転する」という1人1車制が絶対条件となっています。

原則として、許可を受けた本人以外が営業運転をすることはできません。例外として「代務運転」制度(病気等のやむを得ない事情がある場合)がありますが、これは後述します。この1人1車制こそが、法人タクシーとの最も根本的な違いです。

法人タクシーとの違い

法人タクシー/個人タクシーの比較

項目

法人タクシー

個人タクシー

許可名義

法人(会社)

個人

運転者

雇用ドライバー(複数可)

許可を受けた本人のみ

車両数

複数台可

原則1台

継続ルール

法人が継続(ドライバー交代可)

本人が運転できなくなれば原則廃業

例外制度

通常の事業形態のため特例なし

代務運転(条件変更承認)制度あり

独立性

雇用関係あり

個人事業主として完全独立

営業区域と"管轄(運輸局・運輸支局)"の考え方(全国共通の確認手順)

個人タクシーの許可申請は、営業しようとする区域を管轄する地方運輸局(または運輸支局)に対して行います。たとえば東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県などで営業する場合は関東運輸局が管轄窓口です。

ここで重要なのは、審査基準や試験の実施要領は地方運輸局ごとに公示されており、全国一律ではないという点です。本記事では、令和8年2月17日に一部改正された最新公示が確認できる関東運輸局の公示を参照例として使用しますが、実際の申請にあたっては必ず自分の営業区域を管轄する地方運輸局の最新公示を確認してください。

本記事で扱う「個人タクシー 資格」の範囲

本記事では、以下の範囲を「個人タクシー 資格」として整理します。

・許可を受けるための要件(年齢・免許・運転経歴・法令遵守・施設等) ・法令試験(事前試験/申請後試験) ・許可申請に必要な書類(挙証資料) ・許可後に"資格"を維持するためのルール(期限更新・休止・廃止・代務運転)

これらをひとつずつ順番に解説していきます。

個人タクシー 資格の取得条件

個人タクシーの許可を受けるには、地方運輸局が公示する「審査基準」を満たす必要があります。関東運輸局では「個人タクシー事業の許可及び譲渡譲受認可申請事案の審査基準について(令和8年2月17日一部改正)」がその根拠です。以下、主要な要件を解説します(※1)。

年齢要件

審査基準では、申請日現在の年齢が一定の上限以下であることが求められています。関東運輸局の審査基準(Ⅰ-2)では、申請日現在で65歳未満であることが原則として定められています(※1)。

ただし、年齢と運転経歴は密接に連動しており、年齢区分によって求められる運転経歴の年数が異なります(後掲「別表2」参照)。また、65歳以降の期限更新においても年齢に応じた追加要件が課される場合があります。

必要な免許(第二種運転免許)

個人タクシーの許可には、第二種運転免許が必要です。審査基準(Ⅰ-3(1))では、申請日現在において有効な第二種運転免許(普通・中型・大型)を保有していることが求められます(※1)。

第一種運転免許だけでは申請できません。なお、免許の種別によって運転できる車両の種類が異なりますが、一般的な個人タクシーの場合は普通第二種運転免許で対応できます。

運転経歴・乗務経験(年齢区分に応じた要件)

審査基準(Ⅰ-3(2)・別表2)では、年齢区分に応じて以下のような運転経歴が求められます(※1)。

申請日現在の年齢

必要な運転経歴の概要

35歳未満

申請区域で同一タクシー・ハイヤー事業者に継続10年以上雇用、かつ申請日以前10年間無事故無違反

35歳以上40歳未満

申請区域での職業運転歴10年以上、うちタクシー・ハイヤー5年以上、かつ申請区域で継続3年以上のタクシー・ハイヤー経験

40歳以上65歳未満

申請日以前25年間のうち職業運転歴10年以上(他の自動車の運転を職業とした期間は50%換算)、かつ申請区域で3年以内に2年以上のタクシー・ハイヤー経験

※上記は概要になり、正確な定義・換算ルールは必ず一次情報源でご確認ください。

重要なのは、単に「免許を保有している年数」ではなく、タクシー・ハイヤー等での実務乗務経験が含まれることです。法人タクシーのドライバーとして一定期間働くことが、実務乗務経験を満たしやすいため、将来的に個人タクシーへの近道になる理由がここにあります。

法令遵守(欠格・違反歴など)

審査基準では、道路交通法・道路運送法等の遵守状況も審査されます(※1)。

区分

内容の概要

免許停止・取消

申請日以前および申請日以降一定期間内に運転免許の停止・取消を受けていないこと

交通違反点数

申請日以前および申請日以降一定期間内に一定点数以上の違反点数を累積していないこと

道路運送法違反

道路運送法・関係法令への重大な違反歴がないこと

刑事罰

禁錮以上の刑の執行終了後、一定期間が経過していること

※その他、刑法、暴力行為等処罰に関する法律等の法令の違反による処分がないことも必要です。詳細は管轄地方運輸局の最新審査基準で確認してください

※「一定期間」「一定点数」の具体的な数値は、管轄地方運輸局の最新審査基準で確認してください。

営業所(住居)・車庫等の要件(確保・証明の考え方)

項目

求められる状態

主な証明書類

営業所(住居)

申請する営業区域内にあり、住居と営業所が同一であり、申請者が実際に使用できる状態にあることなど

不動産登記簿謄本、賃貸借契約書など

車庫

営業所から一定距離以内、車両収容に適したスペースがあることなど

車庫の使用権原を示す書類、幅員証明書など

車両

電子地図を当該機器の映像面に表示するなど、旅客自動車として適切な状態にあることなど

車検証の写しなど(申請時点で調達予定の場合は別途確認)

資金計画

所要資金の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであることなど

所要資金の100%以上の自己資金(自己名義の預貯金等)が、申請日以降常時確保されている証明

※上記は概要のため、実際に求められる状態や書類の詳細は、挙証資料一覧(後述)および管轄地方運輸局の公示で確認してください。

また、健康状態及び運転に関する適性、法令に関する知識なども必要になるため、詳細は管轄地方運輸局の公示で確認してください。

提出・審査の実務ポイント(「要件」と「証明(挙証)」は別物)

申請において最初に意識すべきなのは、「要件を満たしていること」と「要件を満たしていることを書類で証明(挙証)できること」は別物という点です。

いくら実態として要件を満たしていても、それを証明する書類が揃っていなければ審査は前に進みません。どの書類で何を証明するかを事前に把握しておくことが、申請をスムーズに進める最大のポイントです。

準特定地域・参入枠があるケース

タクシーの需給調整が必要と認められる地域は「特定地域」または「準特定地域」に指定されることがあります。個人タクシーの新規参入において営業区域が準特定地域に該当する場合、申請受付の時期が限定され、参入枠(許可できる件数の上限)が設けられることがあります。

これは、準特定地域では地域の実情に応じたタクシー需給のバランスを維持するための措置がとられるためです。関東運輸局では、準特定地域における個人タクシーの参入枠等を別途公示しており、申請を検討する際はこの公示の確認が不可欠です(※2)。

参入枠・受付期間・処分時期(公示が出る場合の読み方)

関東運輸局が令和7年4月16日に公示した内容を例に、確認すべき項目を整理します(※2)。

チェック項目

令和7年度の例(関東運輸局)

確認のポイント

参入枠(件数)

別紙に区域ごとの件数を記載

自分の営業区域が対象区域かを確認

申請受付期間

令和7年9月1日〜9月30日

受付期間外の申請は受理されない場合あり

処分時期

原則 令和8年3月末まで

許可・不許可の判断が出る目安

※参入枠・受付期間・処分時期は年度ごとに変わります。必ず最新の公示を確認してください。

自分の営業区域が対象か確認する方法("各地方運輸局の公示"で確認)

以下の手順で確認するのが最も確実です。

  1. 自分が営業しようとする都道府県・市区町村を確認する
  2. その区域を管轄する地方運輸局(または運輸支局)を特定する
  3. 当該地方運輸局のウェブサイトで「準特定地域」「個人タクシー 参入枠」等のキーワードで最新の公示を探す

「準特定地域に該当しない営業区域」であれば、参入枠の制限なく通常の審査基準に沿って申請できます。ただしその場合も、申請要件そのものは審査基準に従います。

個人タクシー 資格に必須の法令試験

個人タクシーの許可申請には、法令試験への合格が必要です。関東運輸局の「個人タクシー事業の許可等に係る法令試験の実施について(令和8年2月17日一部改正、令和8年4月1日以降受付から適用)」に基づきます(※3)。

試験には大きく2つがあります。

事前試験:許可申請等をする前の者を対象とする試験。新規許可申請者は令和8年4月1日以降、この事前試験に合格してから申請することが必須。 ・申請後試験:譲渡譲受及び相続の認可申請者を対象とする試験。新規許可申請者には適用されない。

どちらになるかは、申請する地方運輸局の公示と個々の状況によって異なります。

受験資格要件(申込日現在の要件として整理)

要件項目

内容の概要

年齢

試験申込日現在、審査基準の年齢要件に対応した年齢であること

第二種運転免許

有効な第二種運転免許を保有していること

運転経歴

審査基準(別表2)の運転経歴要件に対応した経歴があること

試験区域

受験しようとする区域での営業を目的とすること

※正確な要件や内容は管轄地方運輸局の「試験実施公示」で確認してください(※3)。

受験申込の受付期間と試験実施時期

試験の実施は年に複数回設けられており、受付期間・試験日は公示で告知されます(※3)。

申込の流れは概ね以下のとおりです。

  1. 受験申込書類を揃える
  2. 管轄の運輸支局へ申込書類を提出(運輸支局経由で運輸局長あてに提出する経路)
  3. 受付確認後、試験日に受験
  4. 合格の場合、合格証の交付

受付期間は試験ごとに数週間程度しか設けられていないケースが多いため、公示のスケジュールを事前に把握して準備を整えておくことが重要です。

合格証の有効期限("いつまでに何をするか"をタイムライン化)

合格証には有効期限があります。期限内に必要な手続きを完了しなければ、合格証が失効し再度受験が必要になります(※3)。

状況

有効期限のポイント

事前試験合格後

合格証交付日から一定期間内に許可申請・書類提出を完了する必要あり

申請後受験の場合

合格後一定期間内に挙証資料等の提出が求められる

※「一定期間」の具体的な日数は、管轄地方運輸局の最新公示で確認してください。

合格証の有効期限は申請スケジュール全体の基準点となるため、合格後すぐに挙証資料の準備を開始することをおすすめします。

個人タクシー 資格の"証明"に必要な書類一覧

挙証資料とは何か(審査基準→細部取扱い→挙証資料、の関係)

「挙証資料」とは、申請要件を証明するために提出する書類の総称です。審査基準で定められた要件を、細部取扱いに基づく挙証資料で証明する、という3段構造になっています(※4)。

審査基準(要件の定義)→ 細部取扱い(提出手続の詳細)→ 挙証資料一覧(具体的な書類)という流れで理解すると整理しやすくなります。

事前試験合格後に求められやすい挙証資料(一覧の読み方)

「事前試験合格者の譲渡譲受認可申請時における挙証資料等一覧」では、1〜20番の挙証資料が列挙されています(※5)。一部を以下に示します、詳細は出典先をご覧ください。

書類名(概要)

主な注意点

譲渡譲受契約書の写

自動車検査証の写

運転に関する適性診断票

関東運輸局長あて封書のまま

道路管理者の発行する幅員証明等

申請日前4ヶ月以降

住民票の写し

譲受人を含む同居している者全てのもの

公的医療機関等の医療提供施設の発行した健康診断書

申請日前4ヶ月以降

書類の注意点(発行日の条件、封書のまま提出等がある場合)

挙証資料には、書類ごとに細かな条件が設けられている場合があります。特に注意すべき点は以下のとおりです(※5)。

・健康診断書や運転記録証明書には「申請日前○ヶ月以内に発行されたもの」という有効期限条件がある場合があります ・適性診断票は「開封せずに封書のまま提出」という運用がある場合があります ・記載以外の挙証資料についても、必要に応じ提出を求める場合があります。

これらの細かい条件を見落とすと、書類の再取得が必要になり時間をロスします。一覧表をもとに、提出前に全書類の条件を確認しておきましょう。

代替資料や追加提出を求められる可能性

細部取扱い(Ⅳ-4)では、「必要に応じて追加の資料を求めることがある」旨が定められています(※4)。

申請後に追加書類の提出を求められた際は、速やかに対応することで処理期間を短縮できます。

個人タクシー資格の維持にも大切な安全・健康要件

運転に関する適性診断(提出対象・提出タイミング)

個人タクシーの許可申請では、運転適性に関する適性診断の受診と、その結果票の提出が求められます(※6)。

挙証資料として提出する際は、「診断票を開封せずに封書のまま提出」という運用がある場合があります。事前に提出方法を確認しておくことを推奨します。

高齢者に関する診断(適齢診断等)の扱い

「個人タクシー事業の許可等に付された期限の更新申請の審査及び取扱基準(令和6年1月24日一部改正)」では、年齢に応じた追加要件が定められています(※1)(※6)。

年齢区分

追加要件の概要

65歳以上

適齢診断の受診が必要

70歳以上

適齢診断に係る適性診断書が必要

※正確な年齢区分と要件は管轄地方運輸局の最新公示で確認してください。

健康診断書(公的医療機関等・受診時期の考え方)

確認項目

要件の概要

受診機関

公的医療機関等の医療提供施設

所見

運転に支障がない旨の所見が記載されていること

※具体的な期間や所見の基準は管轄地方運輸局の審査基準・更新申請取扱基準で確認してください(※1)(※6)。

許可後のルール(運送約款など)

個人タクシーの許可を受けた事業者は、旅客との契約条件を定めた「運送約款」を設定し、実施する必要があります。国土交通省が定める「標準運送約款」をそのまま使用する場合は、個別の認可は不要です(標準運送約款を使用しない場合は認可が必要)。

標準運送約款の参照ポイント

「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款(令和2年11月27日改正・同日施行)」の主な条文を整理します(※7)。

条番号

内容の概要

第1条

適用範囲

第5条

運賃及び料金

第7条以降

賠償など

運賃・料金は「認可/届出して実施しているもの」によること

標準運送約款(第5条等)に基づき、実際に適用する運賃・料金は行政庁の認可を受けたもの、または届出を行ったものでなければなりません(※8)。

期限更新・休止・廃止・代務運転(個人タクシー資格を"続ける"ルール)

期限更新(いつ・どこに・何を提出するか)

個人タクシーの許可には期限があり、継続するには期限更新申請が必要です。更新申請取扱基準(令和6年1月24日一部改正)に基づきます(※7)。

確認項目

内容の概要

提出時期

許可期限が5月31日の者は当年3月中、許可期限が11月30日の者は当年9月中に運輸支局へ提出

提出先

管轄の運輸支局等

主な添付書類

運転記録証明書、適性診断票、健康診断書(65歳以上は適齢診断票も)、事業実績を示す書類など

期限更新で見られる審査の観点

期限更新の審査では、次のような点が確認されます(※7)。

・許可期間中に適切に事業を実施していること(実施状況) ・道路交通法・道路運送法等の法令違反がないこと ・健康状態・運転適性に問題がないこと

更新が認められないケースとして、許可期間中に重大な法令違反があった場合や、健康状態・運転適性に問題があると判断された場合などが想定されます。

休止(30日以内/超で手続が分かれる場合)

「個人タクシー事業の休止及び廃止の取扱いについて(令和6年1月24日公表)」では、休止の期間によって手続が分かれます(※9)。

休止期間

必要な手続

30日以内の休止

運転日報への記載(届出不要の場合あり)

30日を超える休止

事業休止届出書の提出が必要

事業を廃止する場合も届出が必要です。廃止取扱い(令和6年1月24日公表)では、廃止予定日の30日前までに廃止届出書(様式2)を提出するよう定められています(※9)。 廃止を決意したら、期限を逆算して早めに準備することを推奨します。

病気等で運転できないときの「代務運転」(条件変更承認)

代務運転の制度目的・承認要件・承認期間

「個人タクシー事業の許可等に付した条件変更(代務運転)承認申請事案の審査基準について(令和6年1月24日一部改正)」に基づきます(※10)。

項目

内容の概要

制度目的

傷病等のやむを得ない理由で一定期間運転できない場合に、代わりの者が運転することを認める制度

承認方法

条件変更承認申請を管轄運輸支局等へ提出

事業者(申請者)要件

傷病等のやむを得ない理由があることなど

承認期間

承認期間は6ヶ月以内・最大1年(合算)が原則。特段の事情がある場合に限り1年を超えて更新できる場合がある。

代務運転者に求められる条件

代務運転者には、以下のような要件が課されます(※9)。

要件項目

内容の概要

年齢

一定の年齢要件(公示で確認)

第二種運転免許

有効な第二種運転免許を保有していること

運転経歴

一定の運転経歴を有すること(公示の要件に基づく)

代務運転は「誰でも頼める」ものではなく、所定の承認要件を満たした者でなければなりません。事前に要件を確認し、対応できる人物を準備しておくことが大切です。

独立後の税務・届出(個人事業主としての手続き)

「新たに事業を始めたとき」の届出(代表例と提出期限)

個人タクシーで独立するということは、個人事業主として新たに事業を開始することを意味します。国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(令和8年1月1日現在法令等)」では、開業時に必要な届出書等の一覧が整理されています(※10)。

届出書等の種類

提出期限の概要

提出先

個人事業の開廃業届出書

事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで(所得税法第229条)

所轄税務署

青色申告承認申請書

事業開始年の確定申告期限まで(初年度は開業から2ヶ月以内等)

所轄税務署

青色事業専従者給与に関する届出書

適用しようとする年の3月15日まで(初年度は事業開始から2ヶ月以内等)

所轄税務署

給与支払事務所等の開設届出書

開設から1ヶ月以内(専従者に給与を払う場合)

所轄税務署

消費税の免税点(納税義務の免除)

国税庁「No.6501 納税義務の免除(令和7年4月1日現在法令等)」に基づき、消費税の免税点を整理します(※11)。

判定区分

内容の概要

原則(免税の条件)

基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円以下の場合は消費税の申告・納税が免除

例外(免税にならないケース)

インボイス(適格請求書発行事業者)登録をしている場合は免除されない

特定期間の判定

前年の1月〜6月の課税売上高または給与等支払額が1,000万円超の場合も課税事業者となる

タクシー独立とインボイス検討

インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応は、独立後の重要な経営判断のひとつです(※12)。

・免税事業者のままでいる場合:消費税の納税は免除されます。 ・インボイス登録をする場合:課税事業者となり消費税の申告・納税義務が生じますが、取引先の仕入税額控除に対応できます

開業前に、主な取引先や想定する事業規模を踏まえてインボイス登録の要否を検討することをおすすめします。

よくある質問

個人タクシー資格は「二種免許があればすぐ取れる」?

いいえ、二種免許を保有しているだけでは申請できません。年齢要件(申請日現在で65歳未満)に加え、タクシー・ハイヤー等での乗務経験を含む運転経歴(年齢区分によって3年または10年以上)が必要です(※1)。さらに、法令試験への合格と挙証資料の提出が求められます。二種免許は「必要条件のひとつ」に過ぎません。

法令試験の合格証はいつまで有効?

合格証の有効期限は管轄地方運輸局の公示(試験実施公示Ⅱ-4(2)等)で発行日から2年(または65歳到達日の前日、審査基準Ⅱは80歳到達日の前日のいずれか早い日)と明確に定められおり、期限内に許可申請・挙証資料の提出を完了させる必要があります(※3)。有効期限を過ぎると再受験が必要になるため、合格後は早期に書類準備を進めてください。

準特定地域で申請したいとき、申請時期は毎年同じ?

いいえ、申請受付期間は年度ごとの公示で変わります(※2)。毎年度の公示が出るタイミングで受付期間・参入枠・処分時期を確認し、公示に合わせてスケジュールを組むことが必要です。「例年この時期だろう」と思い込まず、必ず最新の公示を確認してください。

休止・廃止はいつまでに何を出す?

30日を超える休止の場合は休止届出書(様式1)を、廃止の場合は廃止予定日の30日前までに廃止届出書(様式2)をそれぞれ提出する必要があります(※8)。手続を怠ると不利益処分の対象となる場合があるため、必ず期限内に手続を行ってください。

病気で運転できないとき、代務運転は誰でも頼める?

誰でも頼めるわけではありません。代務運転者には、年齢・第二種運転免許・運転経歴・登録要件など、審査基準(令和6年1月24日一部改正)に定められた要件を満たす必要があります(※9)。また、事前に条件変更承認申請を提出して承認を受ける手続も必要です。いざというときのために、要件を満たす候補者を事前に把握しておくと安心です。

『GOジョブ』でタクシードライバーを目指す

ここまで解説してきたとおり、個人タクシーの許可を取得するには、タクシー・ハイヤー等での実務乗務経験が不可欠です。年齢区分によって必要経験年数は異なりますが、最短でも10年以上の乗務経験が求められます(※1)。

つまり、「いきなり個人タクシー開業」ではなく、まず法人タクシーのドライバーとして経験を積む→資格要件を満たしたタイミングで個人タクシーの許可申請へというキャリアパスが現実的なルートです。

この"乗務経験を積む"最初の一歩として、転職先の選び方が将来の個人タクシー開業に大きく影響します。たとえば、営業区域・勤務条件・会社の環境など、個人タクシー開業を見据えた選択をしておくことが重要です。

また、タクシー業界は自動車輸送統計調査(e-Stat)でも確認できるとおり、需給状況に地域差があります(※13)。 開業を目指す営業区域の市場動向を把握しておくことも、長期的な視点では大切な準備です。

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まとめ

個人タクシーの許可を取得するには、大きく分けて「要件を満たすこと」「試験に合格すること」「書類で証明(挙証)すること」の3段階が必要です。

取得条件:申請日現在で65歳未満、有効な第二種運転免許、年齢区分に応じた運転経歴(タクシー・ハイヤー等の乗務経験を含む)、法令遵守、営業所・車庫・開業資金の確保(※1) ・地域ルール:準特定地域に該当する場合は参入枠・受付期間が設けられるため、管轄地方運輸局の最新公示を確認することが必須(※2) ・法令試験:事前試験または申請後試験を経て合格証を取得。合格証には有効期限があるため、取得後は速やかに挙証資料を準備すること(※3) ・挙証資料:運転記録証明書・健康診断書・適性診断票・幅員証明書など20項目の書類を揃える。発行日条件や提出方法の細則に注意(※5) ・資格の維持:期限更新(3月または9月提出)・休止(30日超は届出)・廃止(30日前まで届出)・代務運転(承認要件あり)のルールを守り続けること(※6)(※8)(※9) ・税務・届出:開業後は開廃業届・青色申告承認申請等の手続きと、インボイス登録の要否の検討を忘れずに(※11)(※12)

審査基準や試験要領は地方運輸局ごとに異なり、随時改正されます。本記事の内容はあくまで参考であり、申請前には必ず管轄の地方運輸局が公示する最新の審査基準・実施要領・細部取扱いを直接確認してください。

個人タクシー開業への第一歩として、まずは法人タクシーでの乗務経験を積むことが現実的なルートです。転職先選びから個人タクシー開業までを見据えたキャリア相談は、『GOジョブ』の無料相談をぜひご活用ください。

年収600万以上

参考情報 ※1 出典:関東運輸局「個人タクシー事業の許可及び譲渡譲受認可申請事案の審査基準について(令和8年2月17日一部改正)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000107995.pdf ※2 出典:関東運輸局「準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーに限る。)の参入枠等について」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000348666.pdf ※3 出典:関東運輸局「「個人タクシー事業の許可等に係る法令の試験の実施について」の一部改正について」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000227879.pdf ※4 出典:関東運輸局「個人タクシー事業の許可申請、譲渡譲受及び相続認可申請に係る細部取扱いについて(令和8年2月17日一部改正)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000284962.pdf ※5 出典:関東運輸局「事前試験合格者の譲渡譲受認可申請時における挙証資料等一覧」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/tabi2/taxi_jigyoukaisi/date/111_k_isiryou.pdf ※6 出典:関東運輸局「個人タクシー事業の許可等に付された期限の更新申請の審査及び取扱基準(令和6年1月24日一部改正)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000291993.pdf ※7 出典:関東運輸局「一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款(令和2年11月27日改正)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/tabi2/taxi_jigyoukaisi/date/201_hyoujun_yakkan_2.pdf ※8 出典:関東運輸局「個人タクシー事業の休止及び廃止の取扱いについて(令和6年1月24日)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000108022.pdf廃止(提出期限がある場合は必ず明記) ※9 出典:関東運輸局「個人タクシー事業の許可等に付した条件変更(代務運転)承認申請事案の審査基準について(令和6年1月24日一部改正)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000227894.pdf ※10 出典:国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm ※11 出典:国税庁「No.6501 納税義務の免除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm ※12 出典:国税庁「インボイス制度について」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm#system ※13 出典:e-Stat「自動車輸送統計調査」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600330&metadata=1&data=1