最終更新日:2026年07月03日


「トラックドライバーはきつい」というイメージから、転職を迷っていませんか。長時間労働や低賃金といった話を聞くと、本当に続けられるのか不安になるのも当然です。一方で、2024年4月の制度改革以降、業界の働き方は大きく変わりつつあります。さらに、トラックの種類や走る距離によって、仕事の負担はまったく違います。
この記事では、公的統計をもとに「きつい」と言われる4つの理由を整理し、2024年以降の改善状況、種類別の負担の違い、自分に合う働き方の選び方までを解説します。読み終えるころには、トラックドライバーという仕事の全体像と、自分に合った選択肢が見えてきます。
「きつい」というイメージが先行しがちな職業ですが、その中身を分解すると、漠然とした不安は具体的な検討材料に変わります。トラックドライバーが「きつい」と言われる理由は、大きく次の4つに整理できます。
それぞれを順に確認していきます。
厚生労働省の働き方改革ポータル「はたらきかたススメ」では、トラックドライバーは自動車運転業務の中でも特に長時間労働の実態があり、全産業平均と比べて年間労働時間が約2割長い状況にあると示されています(※1)。
長時間労働の背景には、運転時間そのものよりも「荷待ち・荷役等時間」の長さがあります。「荷待ち・荷役等時間は1運行あたり3時間程度とも言われており、これが長時間労働の主因の一つとして挙げられています(※1)。荷物を積み降ろしする倉庫の前で長時間待たされる、付帯作業を任されるといった構造的な要因が、労働時間を押し上げてきたのが実情です。
労働時間が長いにもかかわらず、年収面では全産業平均を下回る水準が続いてきました。厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにした集計では、大型トラック運転者・中小型トラック運転者ともに年間収入額は全産業平均より低い水準にあるとされています(※2)。「労働時間は長いのに、給与が見合わない」と感じられやすい構造が、業界の人材流出につながってきた面があります。
ただし、この構造には近年変化が見られています。賃金構造基本統計調査をもとにした分析では、トラックドライバーの年間労働時間は2017年からゆるやかに減少傾向にあり、特に2024年は前年からの減少幅が大きくなっているとされています。一方で、大型トラックドライバーの所定内給与は2020年ごろから増加傾向にあり、これが年間収入額の維持・向上に寄与していると分析されています。
ドライバーの仕事は「運転」だけではありません。荷物の積み込み、積み降ろし、荷物の固定、伝票処理、配達先での搬入作業など、運転以外の業務が日常的に発生します。特に手積み・手降ろしが多い現場では、腰や肩への負担が大きくなりやすい点が指摘されています。
加えて、荷待ち時間が長くなれば、その分、一日の拘束時間も延びます。厚生労働省は、荷主と運送事業者の協力による荷待ち・荷役時間の削減を業界全体の課題として位置づけており、適切な貨物の受取・引渡し日時の指定、トラック予約システムの導入、パレットの導入などを荷主側の工夫として呼びかけています(※1)。逆にいえば、こうした取り組みを積極的に進めている会社を選べば、身体的負担を相対的に抑えられる余地があります。
公道を長時間走る仕事である以上、事故リスクへの注意は欠かせません。配送先の指定時刻に間に合わせる責任、荷物の破損を避ける慎重さなど、精神的なプレッシャーも確かに存在します。
加えて、長時間労働が常態化すると健康面のリスクも無視できません。厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」では、脳・心臓疾患による労災支給決定件数において、道路貨物運送業が業種別で最も多い区分として位置づけられている点が課題として挙げられています(※3)。だからこそ、2024年4月以降の制度改革では、健康確保の観点が前面に置かれることになりました。
トラックドライバーが「きつい」と言われる理由は、労働時間・年収・身体的負担・精神的負担の4つに整理できます。漠然と「きつい」と捉えるよりも、4軸で構造化して見ると、自分にとって何がネックになりやすいかが見えてきます。次に確認したいのは、これらの「きつさ」が2024年4月以降の制度改革でどう変わったのかという点です。
「きつい」と言われてきた業界ですが、2024年4月から運送業界には大きな制度変更が適用されました。働き方改革関連法による時間外労働の上限規制と、改正された改善基準告示が同時に動き出したのです。これらは、ドライバーの健康確保と労働環境改善を狙った制度であり、業界全体の働き方を底上げするものとして位置づけられています。
自動車運転業務には、時間外労働の上限規制の適用に5年間の猶予期間が設けられていましたが、2024年4月からトラックドライバーにも上限が適用されました。具体的には、原則は月45時間以内・年360時間以内、臨時的に特別な事情がある場合でも年960時間以内が上限となっています(※1)。
これは罰則付きの規制であり、運送会社は遵守が義務づけられます。実質的に「青天井に残業させられる」働き方は終わりを迎え、業界全体で勤怠管理の徹底が進んでいます。
改善基準告示は、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準を定めた厚生労働大臣告示です。1997年以降長く改正されてこなかった内容が、令和4年12月に見直され、2024年4月1日から改正版が適用されています(※3)。主な改正点を、改正前後で整理すると次のようになります。
項目 | 2024年3月31日まで | 2024年4月1日以降 |
1年の拘束時間 | 3,516時間以内 | 原則3,300時間以内(例外3,400時間以内) |
1か月の拘束時間 | 293時間以内(労使協定で年6か月まで320時間まで延長可) | 原則284時間以内(例外310時間以内・年6か月まで) |
1日の休息期間 | 継続8時間以上 | 原則継続11時間与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない |
(出典:厚生労働省「はたらきかたススメ」※1)
ポイントは、年間・月間の拘束時間が短縮されたこと、そして勤務間の休息期間が大幅に拡充されたことです。仕事を終えてから次の仕事を始めるまでに、しっかり休める時間を確保することが業界全体に求められるようになりました。
制度改革の効果は、統計にも表れ始めています。厚生労働省の働き方改革ポータルでは、トラック運転者の年間労働時間や年間収入額の推移を、賃金構造基本統計調査をもとに公表しており、近年の動向を確認できます(※2)。
賃金構造基本統計調査をもとにした分析では、大型トラックドライバーについては、労働時間が減少しつつも年間収入額は2021年ごろから増加傾向にあるとされています。つまり、「労働時間が減る=給料が減る」という単純な構図にはなっておらず、特に大型ドライバー層では、働き方改革と賃金水準の改善が並行して進みつつあるのが実情です。慢性的な人手不足を背景に、ドライバーの処遇改善は経営課題として位置づけられており、運賃の適正化や賃上げの動きが進んでいます。
2024年4月の制度改革により、業界全体で長時間労働の是正が制度として走り出しました。年960時間の上限規制と改正改善基準告示は、健康確保とライフワークバランスの両面を後押しする内容です。労働時間の減少と賃金水準の改善が同時に進む局面に入り、転職先として検討する価値が高まっています。とはいえ、現場の負担感は会社や働き方によって大きく変わります。次の章では、トラックの種類・距離区分ごとに「きつさ」の中身がどう違うのかを整理します。
「トラックドライバー」とひとくくりにしても、運転する車種や走る距離によって、仕事の負担はまったく異なります。「自分にはきつそう」と感じる前に、選択肢の幅を知っておくことが大切です。負担構造の基本は、運転距離の長さと荷役の重さのトレードオフです。
大型トラックの長距離輸送は、片道300キロを超えるような移動を伴うことも多く、車内泊で日をまたぐ運行も珍しくありません。運転時間や拘束時間は長くなりやすい反面、フォークリフトでの積み降ろしが中心となるため、手作業の身体的負担は相対的に小さい傾向があります。
賃金構造基本統計調査をもとにした集計では、大型トラック運転者の年間収入額は中小型より高い水準にあり、近年は労働時間が減少しつつ年収は維持・上昇傾向にあるとされています(※2)。一人で運転する時間が長いため、人間関係のストレスを避けたい人には向く一方、長距離移動の体力と集中力が求められる仕事です。
同じ大型でも、地場(県内や近隣エリア)を走るドライバーは、基本的に日帰りで毎日帰宅できる働き方が中心です。長距離より総運転距離は短く、生活リズムを保ちやすい点がメリットです。給与水準は長距離より控えめになることが一般的ですが、家庭やプライベートとの両立を重視したい人にとっては有力な選択肢になります。
中型トラックは、主要都市の集配所と各地の配送先を結ぶ配送が中心です。運行距離は近距離から日帰り可能な範囲までと幅広く、運ぶ荷物の種類によって仕事内容が変わります。雑貨や食品ならドライバー自身による積み下ろしが多くなり、工場部品など大型の荷物ではフォークリフトでの作業が中心になります。
小型トラックの近距離配送やルート配送は、毎日同じルート・同じ顧客を回ることが多く、業務スケジュールが読みやすい働き方です。拘束時間は大型・長距離より短くなりやすい一方、配達件数が多く、荷物の積み降ろしを手作業で行う頻度が高くなる傾向があります。腰や肩への負担を考えると、フォークリフトなどの設備が整っている職場や、軽量荷物の配送が中心の求人を選ぶことが、長く続けるためのポイントになります。
ここまでの内容を、車種・距離区分ごとに整理すると次のようになります。
車種・距離 | 拘束の特徴 | 荷役の特徴 | 向いている人 |
大型・長距離 | 拘束長め・泊まりあり | フォークリフト中心で手作業少なめ | 一人時間を重視し、長距離運転が苦にならない人 |
大型・地場 | 日帰り中心・拘束は中程度 | 機械中心が多い | 大型を運転しつつ毎日帰宅したい人 |
中型 | 日帰り中心 | 荷物により手作業/機械の幅が広い | 配送エリアや荷物の種類を選びたい人 |
小型・近距離・ルート配送 | 拘束は短め | 手作業の頻度が高い傾向 | 生活リズムを安定させたい人・接客的要素が苦でない人 |
なお、運転に必要な免許は、運転するトラックの大きさによって普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許のいずれかが必要となります。仕事の幅を広げる資格としてはフォークリフト運転技能講習修了証や牽引免許などがあり、業界では資格取得支援を制度化している会社も少なくありません。会社負担で必要な免許を取得できる制度を持つ求人も存在するため、未経験者にとって入口のハードルは見た目より低いといえます。
トラックドライバーの「きつさ」は、車種と距離区分の組み合わせによって中身が大きく変わります。長距離・大型は運転時間が長い反面、手作業の荷役は少なめ。小型・近距離は拘束が短い反面、手作業の頻度が高い傾向にあります。自分の体力や生活リズム、収入目標に合わせて選べば、過度な負担を避けつつ続けやすい働き方を見つけられます。とはいえ、求人票だけでは会社ごとの実態は見えにくいもの。次の章では、身体・精神の負担を抑えるための選び方の視点を整理します。
車種や距離区分を選ぶことに加えて、もう一段踏み込んで「会社の運営体制」を見ることで、負担はさらにコントロールできます。求人を見るときに押さえておきたい視点を4つ紹介します。
順に確認します。
身体的負担に最も直結するのが、荷物の積み降ろしの方法です。フォークリフトやパレットでの作業が中心の現場と、手作業で1個ずつ運ぶ現場では、毎日の身体への負担が大きく変わります。求人票で「フォークリフトでの積み降ろし」「パレット輸送」「手積みなし」といった記載があるか、面接で実際の現場の運用を確認することが重要です。長く働くことを考えるなら、腰や肩への負担が小さい職場を選ぶのが合理的です。
労働時間の管理がきちんと行われている会社かどうかも、見極めの大きなポイントです。デジタルタコグラフ(運行記録計)や勤怠管理システムを導入している会社は、運転時間や休憩時間を客観的に把握しており、改善基準告示の遵守状況を確認しやすい体制が整っています。
経営側の視点でも、勤怠の見える化が進んでいる会社ほど、過重労働を未然に防ぐ仕組みが機能しているといえます。求人を見るときに「運行管理体制」「労働時間管理ツールの導入」といった記載があるか、確認する価値があります。
長時間労働の主因の一つが荷待ち時間です。厚生労働省は、荷主側に対して、適切な貨物の受取・引渡し日時の指定、トラック予約システム(バース管理システム)の導入、パレットの活用などを呼びかけています(※1)。運送会社の側でも、荷主との関係構築や予約システムの活用によって荷待ちを減らす取り組みを進めている会社があります。「待たされる時間が短い」会社を選ぶことは、拘束時間そのものを短縮する近道です。
健康確保の観点では、定期健康診断、人間ドック補助、有給休暇の取得率、年間休日数なども要チェックです。長時間労働が常態化していた業界だからこそ、健康面のサポートを手厚くしている会社を選ぶことに意味があります。脳・心臓疾患の労災データに代表されるように、健康リスクへの配慮は業界全体の課題として位置づけられており(※3)、これに前向きに取り組む会社かどうかは、長く続けるための重要な判断軸です。
「免許を持っていないから無理」と考えていませんか。実際には、必要な免許を入社後に会社負担で取得できる制度を整えている会社の求人が、業界には少なくありません。普通免許のみでも応募でき、入社後の研修と支援を受けながら、徐々に車種をステップアップしていく働き方も可能です。
身体・精神の負担は、車種・距離区分だけでなく、会社の運営体制によって大きく変わります。手積みの有無、勤怠の見える化、荷待ち削減の取り組み、休日・健康面のサポートを軸に求人を見ていけば、自分にとって続けやすい職場が見えてきます。とはいえ、求人票や会社ホームページからだけでは、現場の実態を完全に把握するのは難しいのも事実です。次の章では、未経験者が「きつくない会社」を見極めるための具体的なコツと、一人で抱え込まずに進める方法を整理します。
未経験から運送業界に飛び込もうとするとき、最大のハードルは情報の非対称性です。求人票に書かれている内容と、実際の現場の運用には差があることも珍しくありません。だからこそ、見極めのコツを押さえ、必要に応じて専門家の力を借りることが、続けやすい会社を選ぶ近道になります。
応募前に求人票で確認しておきたいポイントは、次の5つに集約されます。
これらが具体的に書かれている求人ほど、運営が透明な会社である可能性が高いといえます。
業界全体としても、ドライバー不足を背景に、未経験者の採用と定着を後押しする仕組みづくりが進んでいます。代表的なものを挙げると次のとおりです。
『GOジョブ』では、こうした未経験者歓迎の求人や、給与保障制度・免許の会社負担取得制度を備えた企業の求人を多数保有しています。「未経験だから諦める」のではなく、「未経験でも始められる仕組みを持つ会社を選ぶ」という視点が、長く続けるためのカギになります。
ドライバー職は、市場全体として人材の供給が追いついていない状態が続いています。厚生労働省の職業安定業務統計をもとにした集計では、自動車運転従事者の有効求人倍率は長らく全職業計を大きく上回る水準で推移しており、近年も全職業平均の約2倍程度の水準を維持しています(※4)。
これは、求職者にとって「選べる立場」にあるということです。複数の会社を比較し、勤務形態・賃金・教育体制を吟味して選ぶ余裕があります。焦って1社目で決める必要はなく、自分の希望条件に合う会社を腰を据えて探せる市場環境が整っています。
それでも、未経験者が一人で会社を見極めるのは簡単ではありません。求人票には書かれていない現場の運用、社内の雰囲気、教育体制の実情など、内部情報の把握には限界があります。
ここで力になるのが、ドライバー職に特化したキャリアアドバイザーの存在です。『GOジョブ』はタクシーアプリ『GO』を提供するGO株式会社グループのGOジョブ株式会社が運営する転職支援サービスで、ドライバー職に知見のある専門アドバイザーが、希望条件(給与・勤務地・勤務形態など)を相談しながら、自分に合った会社を紹介してくれます。求人紹介だけでなく、選考アドバイスや面接設定までサポートしてくれるため、未経験者でも一人で悩まずに転職活動を進められます。
未経験者が「きつくない会社」を見極めるには、求人票の5項目(拘束時間・賃金・休日・教育・免許支援)の確認、会社負担の免許取得や給与保障といった未経験者向け制度の活用、そして売り手市場という追い風を活かした腰を据えた会社選びが基本となります。とはいえ、内部情報の把握には限界があるのも事実です。一人で抱え込まず、ドライバー職に詳しい『GOジョブ』のアドバイザーに相談すれば、希望条件と労働環境の両面から、自分に合う会社を提案してもらえます。
ここまで、トラックドライバーが「きつい」と言われる理由から、2024年問題後の改善状況、種類別の負担差、そして自分に合う働き方の選び方までを見てきました。記事全体の要点を振り返ります。
「きつい」というイメージだけで判断するのはもったいない仕事です。制度面の追い風、種類別の選択肢、そして未経験者向けの仕組みが整いつつある今、自分に合う働き方を見つける条件は揃いつつあります。
そのうえで、自分一人で会社を見極めるのが難しいと感じたら、『GOジョブ』に相談してみてください。『GOジョブ』では、次のようなサポートを受けられます。
「きつい」の正体を知り、自分に合う働き方を選ぶ。その第一歩として、まずは『GOジョブ』のアドバイザーに条件を相談してみてはいかがでしょうか。一人で悩まなくていい環境で、納得のいく転職を進めていきましょう。

参考情報